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ユーザー通信208号 4面抜粋:決算発表 Cominix 切削工具・海外が堅調に推移、売上高255億円に「YG‐1」製品の本格拡販めざす

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昨年4月に社名とブランド名を統一し、社名変更したCominix(旧・大阪工機)は5月29日、大阪市中央区安堂寺町の本社にて、2019年3月期の決算説明会を行った。

主力の切削工具、海外事業が堅調に推移し、売上高は255億1100万円(前年比108・1%)、営業利益は11億3100万円(同134・5%)、経常利益は11億400万円(同132%)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億7400万円(145・7%)。

セグメント別の売上高では、切削工具が160億1900万円(前年比106・8%)、耐摩工具が30億6300万円(同108・5%)、海外が51億7300万円(同111・7%)、光製品(光ファイバー、光源装置、光学部品等)が12億5500万円(同109・4%)。

このうち切削工具については、卸部門での主力商材および同社オリジナル製品の販売、直販部門での技術営業体制の強化等により、卸・直販両部門ともに売上高およびセグメント利益(6億1200万円)が堅調に推移した。

Cominixは住友電気工業はじめ、セコ・ツールズ、ワルター、イスカル、テグテック、ケナメタル等、切削工具市場の世界シェア約60%をカバーする主要かつ多彩なメーカーを取り扱い、ユーザーニーズに応える国内外の厳選した豊富な品揃えに加え、海外の優秀なメーカーを掘り起し「Cominix商品」として展開(現状十数社の総代理店)することを強み、特長としている。

そんななか、一昨年にはオリジナルブランドの「NEW CENTURY」エンドミルを市場投入し、また直近、取り扱いを開始した「YG‐1」製品(韓国/エンドミル・ドリル等)の本格拡販をめざす。

さらに、特長と強みの意味では、急拡大する日系メーカーの海外拠点を開拓すべく、新興国を中心にアジアと中米に9ヵ国・27拠点に開設するグローバル化ネットワークへの注力もあげられる。

昨年10月には、メキシコでは4ヶ所目となるケレタロ営業所を、モンゴルのウランバートルには駐在所を、それぞれ新設した。

ウランバートルについては、タングステンやモリブデンなど鉱物資源(レアメタル=稀少金属)の販売事業参入、販路開拓のための拠点となる。

一方、昨年10月には国内では三重営業所を新設した。また、7月には名古屋ロジスティックセンター(名古屋市昭和区鶴舞)を新設し、ユーザーへの即納体制を強化、深耕開拓および新規開拓の基盤を新たに構築することで、中部エリアへのさらなる進出を図った。

これら営業戦略を鑑み、柳川重昌社長は「海外で獲得したユーザーの国内拠点を開拓する」など積極的な海外展開によるシナジー効果等を例にあげながら、「拠点を増やし、取り扱い商品を増やし、新しいこと、具体的に何かやることが重要。『頑張ろう!』や『一生懸命やろう!』で売り上げが増えるのは、せいぜい10%くらいまで」とし、取り扱い製品の拡充、営業・物流拠点の新設といった、営業活動の新たな基盤構築の施策を説いた。

今期の切削工具売上高は前年比6%増見込む

そのうえで、20年3月期の連結業績については、売上高は276億円(前年比8・2%増)、営業利益は12億円(同6%増)と予想し、うち切削工具の売上高は170億円(同6・1%増)を見込む。

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