ユーザー通信207号 3面抜粋:タンガロイ特約店総会
タンガロイ 特約店会定時総会を開催
売上高・新製品件数・生産量
― 続々とレコード更新を報告
タンガロイ(本社=福島県いわき市好間工業団地)は4月12日、ANAクラウンプラザホテル神戸(神戸戸市中央区)にて「西部タンガロイ特約店定時総会」を開催した。
総会では最初に、西部タンガロイ特約店会の阪本正孝会長(阪本㈱会長)が、昨今よく話題に上がる「日本の生産性の低さ」について言及し、「日本古来の仕事のやり方や商流、信頼性の熟成などを通じて、長年にわたり、この社会ができてきた。生産性とは、上げても上げも、なおかつ『まだ上げられる』と、数字だけがひとり歩きしていないだろうか」との感想等をあいさつとし、各議案の審議、承認へと移った。
続くタンガロイ行事では、成績優良特約店表彰のあと、タンガロイの木下聡社長に加え、新たに営業本部長として今年1月1日付で着任した松本憲幸氏によるメーカー方針が発表され、概ね次の内容が語られた。
タンガロイではデイリーで切削工具の売り上げデータが閲覧でき、直近(今年1月~4月11日夕方当時)では、国内は対前年(2018年)比7~8%増で推移中。国内の販売状況では西部地区が東部、中部地区を上回り、ただいま絶好調。
2018年度の連結売上高は、国内が対前年比で9%増。日本工具工業会全体の統計が6%増のため、タンガロイのシェアが伸びたことになる。海外は12%増、オールタンガロイでは11%増と2年連続での2桁成長で、レコードをさらに更新し、過去最高の売上高を達成した。
生産状況については、2011年を100とする指数で表せば、インサートは151。コンペティターからは欠品という話も聞こえるなか、タンガロイでは「日々設備投資しながら、稼動効率を上げながら、在庫を持ちながら」によって、特に大きな欠品はなく1年間を過ごせた。
ミリング、穴あけ工具(カッター、ドリル)はほぼ2倍の188、旋削用ホルダーは123、軸物工具(ソリッドのエンドミル、ドリル)については、タンガロイとしてはまだまだ補強、多く伸ばしていく必要がある。
焼結体工具(CBNやダイヤモンド工具)は182で、一昨年比では約40アップしておりトレンドとなっている。自動車部品の軽量化によるアルミ加工の増加などにより、いま世の中は焼結体ブームともいえる。その他切削工具以外でも、耐摩耗工具のダイコーター(薄膜塗布工具)が309を示すなど「非常にバランス良く成長できている」。
昨年からタンガロイでは、タイムスタディ(工具、切削条件、加工時間、加工工程)、レイアウト図面、ツールパスイメージといった「Total Tooling」の提案に取り組んでおり、元々は航空宇宙産業に向けチームをつくったが、「短期間で効率良いプログラムを組む」必要性から自動車産業など99件のプロジェクトを手掛ける。
新製品では昨年大きなリリースが行えた。新鋼旋削加工用CVDコーティング材種『T9215』を4月に、『T9225』を12月にリリースした。タンガロイで最も販売好調な材質を新たに、「世の中が高速化しているために開発した」。
これらを含め昨年の新製品発売件数は47件で、9年連続での№1達成した(2010年~2018年)。さらに、生産量(インサート、ドリルボディ、カッターボディ)についても過去最高を達成した。
加えて、自動倉庫、拠点ネットワークの更新(両件合わせ投資総額は約5億円)といった生産設備以外の大型設備への投資案件も継続。
以上をふまえ、今年度(2019年)の連結売上高は前年比で国内10%増、海外11%増、他事業含めたトータルでは10%増の予算(リーマンショック前の2008年実績の6%増に相当)を立て臨んでいる。新製品(+拡充)発売件数の目標は35件。開発・製造・営業にとって「新製品こそが伸長・生き残りの道」。 これらを背景に、9つのターゲットとして、「国内シェア№1(まずはインデキサブル工具分野で)」「アジア&環太平洋でメジャー・プレーヤー」「旋削工具でマーケット・リーダーとして認知される」「輸出比率を65%まで高める」「日系工作機械メーカーとの連携を高める」「IMCの切削工具世界№1に貢献する」等をあげた。
2019年5月17日