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ユーザー通信207号 1面抜粋:東芝機械グループソリューションフェア

ユーザー通信 WEB版

第17回 「東芝機械グループ ソリューションフェア 2019」開催

5月23日(木)~25日(土)
/沼津工場(本社)・御殿場工場

 

東芝機械(本社=静岡県沼津市大岡/三上高弘社長)は、第17回目となる2019年の「東芝機械グループ ソリューションフェア」を、5月23日(木)から25日(土)までの3日間、沼津工場(本社)と御殿場工場にて開催する。
今回は、「新たな未来への飛躍~先端技術が繋がる社会を目指して~」を全体コンセプトに、EVを中心とした先進自動車や航空機、スマートフォン、光学など先端産業への、東芝機械グループの幅広い取り組みや最新技術、さらに「総合機械メーカー」だからこそ実現できるIoTを通じた「産業の垣根を越え、繋がることによる新たな未来」を各会場(全8ホール)にて披露する。
また例年同様に、展示に関連する同社技術セミナー(全52回・20テーマ/5面参照)に加え、先進自動車、IoT、AI、ものづくりなどに関して、各業界の第一線で活躍中の講師による特別セミナー(全7テーマ/5面参照)の開催(沼津‐御殿場間の中継も実施)も予定している。

 

来春「芝浦機械」スタートアップに向け大事なフェア

このほか、門形MCでは、金型の高速・高剛性加工で生産性向上に寄与する横形MC『BM‐1250Q』、C軸連続割り出しと高精度加工で航空機部品の加工時間に貢献する『MCW‐4624(5A)』、金型の低速重切削から高速切削まで広範囲の切削能力を発揮しFSW(摩擦攪拌接合技術)機能をも搭載する門形MC『MPF‐2614FS』を展示。
さらに、高速送りおよび重切削をセミドライで加工し作業環境改善を提案できるCNC立旋盤『TUE‐100(S)』、フルパワー切削を実現する200㎜クイルタイプ主軸×最大400㎜繰り出し可能なテーブル形横中ぐりフライス盤『BTD‐110H/R16』の展示に加え、IoT活用による加工機械の見える化・遠隔監視および組立スケジュールの進捗管理のモニタリングや、工作機械に音声認識ソフトを融合させ、作業効率アップを図る近未来の機械操作等を提案する。

超精密加工機に新たな要素技術を開発

一方、Hall 1~7の沼津工場(本社)のうち、Hall 3=精密加工センター(Nano‐Labo.)では、自動車用ヘッドランプ金型加工や、半導体・電気電子部品などの精密微細加工で好評を得ている超精密立形加工機『UVMシリーズ』に搭載される新要素技術を開発し、今回は「高剛性・高トルク型空気静圧軸受主軸」「微細部品金型向け寸法計測機能」の開発、「機械本体による工具誤差補正」の実現を提案する。

 

 

 

2種類の双腕協働ロボットを参考出品

Hall 2=第8工場では、生産性向上に貢献するロボット・自動化技術として、人作業の置換えを提案するヒト型とスカラ型の2種類の双腕協働ロボット試作開発し、ハイタクトな製造現場に適した高速・高軌跡精度スカラ型ロボット『THE』とともに参考出品する。
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昨年も過去最高を更新する7千名が来場

毎回好評を得ている「東芝機械グループ ソリューションフェア」は、昨年も過去最高を更新し約7000名が来場した。
東芝機械グループでは引き続き、「エネルギー・環境」「労働生産性の向上」「IoT/ICT」「新素材への対応」の4つを重点戦略キーワードに、自動車・エレクトロニクス・光学・ナノテクなど時代が求めている分野において、射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機、微細転写装置、精密機器、工作機械、電子制御装置、産業用ロボットなど主要商品群の開発・製造・販売およびそれらのレトロフィット・アフターサービスを通して「世界の『モノづくり』を支える機械メーカーの総合力」を目指している。
そんななか同フェアでは、ユーザーの「声」を聴き、真の問題点を探り出し、そこから導き出される同社の課題解決を提案に結び付け、ユーザーとともに未来を創りあげるスタートの機会としている。
なかでも今回は、自動車産業を大きく変えていく、いわゆる『CASE(ケース)』=Connected(コネクテッド)/Autonomous(自動運転)/Shared(シェアリング)/Electric(電動化)に向け、これら工程に携わる同社製品(機械)の、「総合力を活かした先進自動車への取り組み」を次の例のように示す。
▽アルミ部品を量産するダイカストマシン▽大物樹脂部品を量産する大型射出成形機▽機能性樹脂を量産する混練機▽電池用セパレータフィルムを量産する押出成形機▽工場の自動化を実現するロボットやIoT▽車載カメラ用レンズを量産する超精密加工機やガラス成形機▽ヘッドライト等の金型を量産する超精密加工機▽樹脂・金属部品の金型を加工する工作機械、など。
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これら説明を行った5月7日の東芝機械東京本店(千代田区内幸町)での記者発表会では冒頭、八木正幸専務執行役員があいさつに立ち、「6月の株主総会での承認後、ご周知のとおり、当社は来年(2020年)4月から『芝浦機械』として新たにスタートする。その移行へ向けた大切な1年であり、なかでもソリューションフェアは非常に大事となる」と口火を切った。
「当社のお客様のドメインは自動車産業にあり、各産業界が一斉に『CASE』に対し舵を切っているなか、機械メーカーは何を求められているか。今までのようなQCDSに長けたマシンとはまた違い、我々はまだ、CASEに対応する技術として『これが万全』という持ち合せは出来ているとはいえない」と続けた。
そのうえで、「そんな中で行う我々の多様な提案に対し、お客様の評価、何を求めているかといったレスポンスやニーズをいただく。このギブ&テイクのコミュニケーション、流れを、来年の新生・芝浦機械のスタートアップにつなげたい」と抱負を述べた。
(※なお期間中の無料送迎バスは、①三島駅⇔沼津本社工場間②三島駅⇔御殿場工場間③沼津本社工場・構内④沼津本社工場⇔御殿場工場間の4パターンが運行されている)

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