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ユーザー通信197号抜粋 DMG森精機「伊賀イノベーションデー」に9200人超来場

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DMG森精機「伊賀イノベーションデー」に9200人超来場

DMG森精機は5月22~26日の5日間、伊賀事業所(三重県伊賀市御代)にて「伊賀イノベーションデー2018」を開催し、約90社のパートナー企業(DMG森精機認定周辺機器=DMQP+NAGANOものづくり諏訪圏「新技法・新工法展示商談会」参加企業)が出展するなか、来場者は9200人を超える大盛況となった。
世界最大のショールーム「伊賀グローバルソリューションセンタ」をメイン会場に、最新鋭の工作機械約50機を展示。なかでも、コンパクトかつ自動化に対応するターニングセンタ『ALXシリーズ』を参考出展として世界初披露、横形マシニングセンタ「NHXシリーズ」の第3世代モデルとなる『NHX 4000/5000 3rd Generation』と複合加工機「NTXシリーズ」の第2世代モデルとなる
『NTX 2000/2500/3000 2nd Generation』は日本初披露となった。
さらに、汎用機に特殊工具を搭載することで専用機を使用しない複雑加工を多数披露し、ユーザーへ幅広いソリューションを紹介した。
また、自動化のコーナーでは、ロボットの専門知識を必要としない画期的なロボットシステム『MATRIS』や、ロボット1台に機能を集約しスペースを最小化したロボットシステム『MATRISmini』(不二越とのオープンイノベーションで誕生)、搬送を安全でコンパクトに実現する工作機械用搬送ロボット『D‐Carry』(デンソーと共同開発)を披露した。

一方、ガソリン車と電気自動車が並存することにより深化する部品加工の2極化と多様化に対応する同社のソリューションを提案したが、こういった「EV化の波によりもたらされる新たな自動車部品加工」については、開幕日午前に、森雅彦社長、藤嶋誠専務、酒井茂次執行役員、新海洋平執行役員の4名による「テクニカル記者会見」においても、森社長は「重要なメッセージ」として、次の旨述べた。
ディーゼル含めガソリン車そのものは徐々に減少していくが、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車を併せ、何らかの形でエンジンが搭載され、複雑な制御が必要な自動車は現在よりも数千万台増加し、もちろん、電気自動車自体の伸びもあることから、一部で危惧されているような、「ほとんどの自動車部品がなくなってしまう」といった観点は、「明らかに間違っている」。
確かに、40%程度の部品はなくなるが、一部のモータ部品が車載されることにより、従来より、さらに大ロット生産が必要となる。
逆に、その他の部品は非常に少ロットになるため、現在の自動化/専用機加工から、さらに、自動化/多軸化による大量加工と、5軸/複合化の多品種少量生産に大きく移行することから、「設備に関する要求は、ますます多様化してくる」。
加えて、リチウムイオン電池の生産工程(すべてに生産設備が必要)についても言及しつつ、「このように、どこかで次の需要と技術の要求が出てくると考えてみれば、EV化の動きは『追い風』にしかならない」と断言した。
このほか、今期第1四半期(1~3月)では、工作機械/周辺機器合計10台以上の「大規模自動化システム案件」を32件受注(日本)し、情報系データのハンドリングも含めた「工場丸ごと請け負い」の事例(自動車産業、農業機械産業)を紹介した。このような「10~15億円の受注」となるフルターンキー案件の増加傾向などを、トピックスとして挙げた。

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