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『JIMTOF2024』過去最大規模開催へ テーマは「技術のタスキで未来へつなぐ」

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世界最大級の工作機械見本市のひとつ『JIMTOF2024(第32回日本国際工作機械見本市)』が11月5日(火)~10日(日)までの6日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)の全館を使用し開催される。国内外1,262社が出展し、総展示場面積11万8540平方㎡・5,743小間の過去最大規模となり、海外からは19ヶ国・地域から223社が出展する。(主催/日本工作機械工業会・東京ビッグサイト)

国内のモノづくり現場では、労働力人口の減少社会に対応する自動化・省力化ニーズを背景に、工作機械需要は底堅い状況が続いている中、主催の日本工作機械工業会では「今期の受注額も1兆5千億円レベルが見込まれているが、今展を国内設備投資喚起の絶好のチャンスとして取り組む」とし、「技術のタスキで未来へつなぐ」をテーマに会員企業98社が最新鋭の工作機械・技術・システムを展示・提案する。

工作機械の主要ユーザーである製造業では、デジタルやグリーンをキーワードに、従来の機械単体を販売するビジネスだけでなく、工作機械を使うことによる生産性向上や効率化のサービスを提供する動きが広がりつつある。具体的には、機械特性をデジタル上で再現し工作物の加工面を予測する機能や、3Dモデルをシミュレーションで活用し加工時間や製造コストの自動計算、消費電力やCO2排出量を見積もる技術、センサを活用した監視機能など、生産性を向上する新しいソリューションの提案・展示が注目となる。

南展示棟に特別企画「AMエリア」

製造業全体でも、人手不足対応が緊急課題となる中、協働ロボットやAGV(無人搬送車)を活用した自動化・省人化を支援する取り組みが進化している。ロボット活用の用途も、ワークの搬入出だけでなく、加工・洗浄・測定の一部工程を担うなど拡大しており、多様なニーズに対応した提案が期待される。また、高度化するAM(Additive Manufacturing)技術により製品対象も試作から実製品へと移り、高機能化・軽量化を実現する製造プロセスに切り替わるなど、市場のすそ野が広がっている。そんな中、今回の南展示棟では、特別企画のAMエリアが設けられ、製品展示やセミナーも開催される。さらに、会期中には、国内外の工作機械関連の最先端研究について講演・発表する国際工作機械技術者会議(TMEC)も実施される。

切削工具・耐摩耗工具・ダイヤモンド・CBN工具などの機械工具分野は、西1ホールに73社・425小間が出展。各社のブースでは切削工具の実演や大型スクリーンを通じて、大幅なコストダウンと高精密な加工製品などがアピールされる。また、工作機械や産業機械、半導体製造装置、ロボット、自動車、精密機械など、国内外の広範な機械産業に採用され、持続可能な社会の実現に寄与している、ボールねじ、直線運動用案内、スピンドル、ツーリング、円テーブル、各種治具など多種多様な製品で構成されている工作機器分野は、主要な49社が西2ホールにて最新技術・製品を展示・実演する。

会場南ホールには、工作機械業界などモノづくり関連分野への理解を深めることを目的に、「アカデミックエリア」を新設。出展企業が学生と直接交流し、リクルート活動ができる「キャリアマッチングスクエア」や、工作機械業界への知見を深められる体験型コンテンツや工業大学など53機関の研究発表が一堂に集まる「IMECポスターセッション」など、技術交流の場として提供する。

初日の11月5日には、「ものづくりに夢を!THKが挑戦する新発想EV」と題し、THK代表取締役会長CEOの寺町彰博氏と、SNデザインプラットフォーム代表取締役CEOの中村史郎氏による基調講演のほか、翌6日にはトヨタ自動車エグゼクティブ・フェローの河合満氏などによる特別講演も行われる。最終日の10日には「宇宙ロボットのものづくり」をテーマに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)有人宇宙技術センター技術領域主幹の大塚聡子氏が、宇宙活動を支える宇宙ロボットの概要や開発の流れなどについて紹介する。

製造業界の「魅力・やりがい・面白さ」アピール、イメージアップと若年層への認知度向上図る

さらに、今展では「製造業界の魅力・やりがい・面白さ」をアピールし、業界のイメージアップと若年層への認知度向上を図るため、来場者向けの様々なコンテンツを拡充している。すでに、YouTubeにて「JIMTOF INSIGHTS(ジムトフ・インサイツ)」を公開しているが、会期中には、会場での企画展示と連動する形で、新たな動画コンテンツを配信するほか、会期後にも、モノづくり業界に関する情報を長期的・継続的に更新する。


▲前回JIMTOF2022での岡本工作機械ブース ▲前回JIMTOF2022でのオーエスジーブース

▲前回JIMTOF2022での三菱電機ブース   ▲前回JIMTOF2022でのDMG森精機ブース

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