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立花エレテック 24年3月期決算、2期連続で全項目で過去最高に/「納期など、きっちりとニーズに応えた結果」「今期は新人事制度を推進」(布山社長)

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技術商社の立花エレテック(本社=大阪市西区)は5月13日、大阪・北浜の大阪証券取引所にて、2024年3月期(第95期)決算説明会を開催し、布山尚伸社長が発表した。

業績については、連結売上高は前期比1・7%増の2,310億4,200万円、営業利益は同4・3%増の107億6,400万円、経常利益は同8・0%増の118億8,600万円、当期純利益は同8・0%増の84億7,100万円の増収増益で、2期連続で、売上・利益とも過去最高となった。

この要因について布山社長は、「原材料価格の高騰など厳しい経営環境の中、部品等の在庫確保に先行手配するとともに、需要動向を的確に捉えた販売活動と納期対応に注力するなど、きっちりニーズに応えた結果」と説明。さらに、第95期のトピックスとして、新人事制度の方向性が進展したことに加え、DX化の推進による業務の合理化・効率化の取り組みにも注力。さらに、社員の安寧と成長を目的に、福利厚生も兼ねた「なごみの会」を発足。サステナビリティへの取り組みでは、基本方針に沿ってマテリアルティを特定し、環境、社会、ガバナンスの観点からの社会貢献活動への取り組みなどを報告した。

セグメント別の業績では、FAシステム事業においては、産業機械分野での自動化設備に加え、鉄鋼プラント向けの大型設備投資案件が売上に貢献したことで、売上高は前年度比3・5%増の1,189億1,800万円、営業利益は同3・3%増の62億6,200万円。半導体デバイス事業では、電子デバイス分野での在庫調整による需要が減少した結果、事業全体の売上高は同3・5%減の858億9,600万円、営業利益は同0・7%減の40億4,300万円となった。

施設事業では、データセンター向け受変電設備をはじめ空調設備が伸長。集合住宅向けの昇降機設備取扱い台数が過去最高の実績となったほか、大型倉庫向け更新案件も増加。施設事業全体の売上高は同19・7%増の210億1,100万円、営業利益も同135・7%増の5億3,500万円で、「FAシステム事業と施設事業は、売上・利益とも過去最高の業績になった」(布川社長)と報告した。

なお、2025年度3月期通期の連結業績について、布山社長は「上期はポジティブに見るわけにはいかない」とした上で、地域紛争の長期化や資源価格の高騰など、依然と先行き不透明な状況が続く見通しから、売上高2,280億円(前期比98・7%)、営業利益100億円(同92・9%)、経常利益101億円(同85・0%)、当期純利益70億円(同82・6%)と予想した。


▲決算説明会に臨む布山社長(於・大阪証券取引所)

 

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