[263E]フルサト・マルカHD 23年12月期決算、機械・工具が好調 中計第2ステージは成長加速化へ
フルサト・マルカホールディングス(本社=大阪市中央区)は2月19日、飯田邦彦会長、古里龍平社長、藤井武嗣執行役員管理本部長が出席し、オンラインでの2023年12月期決算説明会を開催した。
説明会では、藤井本部長が2月13日に発表した2023年12月期決算(連結)を説明。世界的な景気減速が懸念される中、統合シナジーの早期具現化やプラットフォームの充実(機能拡充)、戦略分野への注力を行い、売上高は1,729億8千万円と前年同期比105億6,300万円増(6・5%増)、営業利益は57億5百万円と同1億9千万円減(3・2%減)となった。また経常利益は66億5,200万円と同4億2百万円減(5・7%減)、当期利益は46億9,800万円と同1億6,600万円増(3・7%増)となった。
セグメント別では、国内外のモノづくり産業向けの技術商社として提案活動を展開している「機械・工具セグメント」は堅調なEVや半導体関連を背景に、売上高1,171億2,800万円(前年同期比9・4%増)、営業利益37億5,800万円(同16・2%増)で、売上・利益ともに全社の業績を牽引した。このうち海外売上高は、316億9千万円(同6%増)で北米ではテリトリーの拡大などにより、工作機械の売上が増加。中国では景気減速が続く中、「大口案件捕捉により売上増加となった」としている。
国内建設業への鉄鋼・配管資材、住宅設備機器を提供する「建設資材セグメント」は売上高452億4,100万円(同3・3%増)、営業利益は19億8,700万円(同23・8%減)の増収減益となった。建設機械や荷役機械等を扱う「建設機械セグメント」は76億5百万円(同14%減)、営業利益は8,100万円(同42・7%減)の減収減益。オフィス・工場・倉庫などでのニーズに合わせたトータルソリューションを提供する「IoTソリューションセグメント」はグループ会社との協業効果により売上高30億4百万円(同10・8%増)、営業利益3,800万円で前年同期比9,500万円増となった。
24年度から第2ステージとなる中期経営計画『UNISOL』の進捗状況については、「最終年度(26年12月期)の目標『売上高2千億円、営業利益100億円』達成に向けての成長のスピードを加速させる」とし、具体的には①新事業分野への展開②グローバルマーケットでの飛躍③ストック型ビジネスの強化―を推進する方針だ。
24年度の通期業績予想では、自動車業界での回復が見込まれるものの、国内・海外(米国・中国)での期初受注残高が前年より減少したことや新物流センター稼働やシステム投資等による販管費増加などを考慮し、売上高1,740億円(通期増減率0・6%増)、営業利益55億円(同3・6%減)、経常利益63億円(同5・3%減)、当期純利益42億円(同10・6%減)と利益ベースでは前年を下回るとした。
この後、質疑に移り、主に古里社長が応答。統合シナジー効果については、「セグメント間やグループ間での人的交流や情報共有化の進展に伴い、例えば建設資材の顧客先に鍛圧機械を販売するなど、新たな商流や商材の開拓・拡充の成果が具現化していことに加え、拠点や業務の集約化によるコスト削減の効果を得るなど、着実に成果を示している」。人事面でも、「7月からフルサト工業、マルカ、ジーネットの人事・評価体系を揃える取組みを予定しており、それに伴い24年度は1億3,400万円の人件費増を見込んでいる」ことを明らかにした。
また物流や建設現場での2024年問題への対応については、「従来のフルサト工業とジーネットの物流施設を統合し、新たに57億円強を投資して、大阪・堺市に物流拠点『UNISOL L.C.OSAKA』を新設。スペース拡大や新在庫カテゴリー等導入による作業効率向上や、新物流管理システム導入による在庫管施策強化などを展開し、2024年問題に対応する。ただ、当社グループの事業活動では、建設現場での『時間外労働の上限規制』による影響が大きく、業界全体の今後の動向や対応について注視したい」との見解を示した。
▲上から、古里社長、飯田会長、藤井本部長(※PC画面のスクリーンショット)
2024年3月1日