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[262J]三菱電機、HACARUSとAI外観検査事業拡大に向け協業

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三菱電機(本社=東京都千代田区、漆間啓執行役社長)とHACARUS(ハカルス、本社=京都市中京区、染田貴志社長)は、AI外観検査事業の拡大を目指し、協業契約を締結した。これに伴い、両社の一層の関係強化のため、三菱電機はHACARUSに出資する。

近年、社会課題が多様化しており、そのひとつである労働人口の減少により、製造業でもさらなる省人化が求められている。外観検査工程では、画像処理技術を活用したルールベース(画像処理技術を使用して、指定位置の長さや面積等を求めることによって良否を判定する手法)での外観検査などが導入されてきたが、傷や色ムラなど見栄え面での不良検出が困難であるため、AI技術の活用による外観検査工程のさらなる自動化や検査員の負担軽減が期待されている。

HACARUSは、独自の軽量なAIを搭載したAI外観検査ソリューション『HACARUS Check』を提供しており、AIの開発技術に加え、AIと各種FA機器の連携や製造現場への導入にも豊富な知見を有している。

三菱電機のFAシステム事業は、製造現場のデジタル領域への対応を強化し、循環型デジタル・エンジニアリングの実現を進めており、設計から製造・試験・運用保守などの各工程において、自動化やデジタル化を実現するため、各領域に強みをもつソフトウエア会社への出資・協業を進めてきた。

今回の協業により、三菱電機は、HACARUSの保有する知見、ノウハウを活用し、自社の持つFA機器や各種ソフトウエアとの融合により、AI外観検査領域における、AI外観検査ソフトウエア 『MELSOFT VIXIO(メルソフト ヴィクシオ)』(昨年12月発売)の販売拡大を目指す。HACARUSは、三菱電機が持つ国内外の幅広い販売網とFA機器を活用し、 自社の持つ外観検査システムの販売拡大を目指す。両社は同協業契約に基づき、両社の経営資源や技術的強みを活かしたシナジーの最大化を図り、製造現場における外観検査工程のさらなる自動化・省人化に貢献する。

三菱電機FAシステム事業本部長の竹内敏惠氏は、「昨今、製造業では人手不足に伴う生産ラインの自動化が加速している。一方、製造現場の外観検査工程では人手による目視検査がまだ多く残っており、今回の協業でそれら課題解決に貢献していく」とコメントしている。

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