[262I]【連載】品質不良のキーワード6選〈前篇〉/ツーリングコンシェルジュ・清水浩の 『工具需要の視点』特別編㊱
多くの企業はS、Q、C、D(安全、品質、コスト、納期・生産性)を社方針として掲げ、日々生産活動を行っていると、これまで紹介してきました。この方針は、まず社員の安全を最も重要と捉え、某自動車メーカーでは、幹部とともに作業現場の責任者を伴い、定期的に、作業場所や作業者の行動を確認しています。
次に(Quality)品質の確保です。安全は作業者に対する対応ですが、品質は、自社製品の顧客への安全確保と言い換えられるほど重要です。自動車、航空機、機械設備など、組み立て製品はそれぞれ検査基準(例えば国土省)が制定され、メーカーは日々緊張して対応されていると考えます。
私が現在勤務しているような部品メーカーは、一枚の図面に基づいて製作しますが、品質対応について私は以前に、本紙連載以外に専門誌『機械と工具』2021年9月号の中で、「不具合品発生は企業の信頼度に大きく影響を与え、一旦発生させると、長期間払しょくできない」と書きました。ここでは、6つの「品質に関しての考え」を表添付し、今回は①~④について補足します。
①は全ての企業が掲げていると思われます。現在の勤務先でも毎期首に発表し、小型カードを携帯して常に意識するとともに、定期的なISO外部監査に対応する仕組みも定着しています。
②は顧客によって異なりますが、製品に不具合が発生した際に受注側の部品が原因となれば記載の通り、顧客との関係が厳しい結果になることは、本連載にてこれまで何度もふれてきました。③についても②と同様だといえます。
④に対しても前述しましたが、現勤務先はISO9002の認証を受けており、定期的に外部監査を受け、私も質疑を交わしていますが、監査官から細かい質問や指摘を受けることは少ないことから、数時間の監査では難しいと考えます。したがって、ISO基準に基づく社内の担当者による内部監査を設け、次の機会にも確認されます。
(続く)
〈清水浩〉
2024年2月5日