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「変わりゆく切削加工」 需要高まる複合材・樹脂加工での新提案 オーエスジーがIPFジャパン初出展

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オーエスジー(本社=愛知県豊川市、大沢伸朗社長)は11月28日から12月2日までの5日間、千葉・幕張メッセで開催された「IPF Japan 2023(国際プラスチックフェア)」に初出展し、幅広い加工や被削材に対応するAブランド製品をはじめ、金型加工用工具や樹脂加工用工具を展示。また、市場拡大が見込まれるCFRPなどの複合材料での最適加工を提案し、注目を集めた。

 

IPFJapanは、プラスチック・ゴムに関する原材料や成形機および関連機器、製品、試験・検査機器、リサイクル・廃棄物処理装置、受託加工・製造など、778社・団体が出展。第10回の今回は5日間で、国内外より3万8436人が来場した。

会期中の11月30日には、会場で行われた出展者プレゼンテーションにて、「変わりゆく切削加工~複合材・エンプラ・ロボット切削~」をテーマに、需要が急増する複合材部品加工、ロボット切削加工、樹脂加工の課題に対応するオーエスジーの取り組みをアピールした。

セミナーでの講師は、オーエスジー デザインセンター開発グループ
エアロペースチームの鈴木真係長と、エンドミル開発チームの野田尚太郎係長が務めた。セミナーでは、世界的な総合切削工具メーカーとしての事業展開の説明に続き、変化する切削加工現場から見たものづくりの未来を展望した。

その中では、アルミ合金と比較し剛性の向上や軽量化による燃費改善が可能なCFRPなどの「複合材料」、人手不足や加工の自動化に貢献する「ロボット切削」、金属の代替材料として需要が高まっている「樹脂加工」の3分野での同社が培ってきた最適工具や加工方法を提案し、「樹脂切削には、金属と異なるノウハウが多く必要で、今後も樹脂・非金属加工での課題解決に取り組んでいく」と強調。ロボット切削専用工具、樹脂加工専用工具の開発に言及した。


この後、セミナー参加者はオーエスジーブースに移動し、同社の各種切削工具や加工提案について熱心な質問が相次ぐ姿が見られた。

セミコンジャパンでも新しい加工常識を提案

同社のこういった流れは翌々週の「SEMICON Japan 2023」(12月13日~15日/東京ビッグサイト)出展へ続いた。

世界を代表するエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会、SEMICONJapanは、半導体産業における製造技術、装置、材料をはじめ、車やIoT機器などのSMARTアプリケーションに加え、半導体産業を支える人材育成までをカバーし、出展者数は961、ブース小間数も2265と前回から大幅に増加。特に海外からの出展は昨年の3・6倍となる187社に及んだ。

そんな中、オーエスジーは、半導体製造装置の部品に使われるステンレス鋼やアルミニウム合金などの非鉄合金、樹脂などの非金属を高能率・高精度に加工可能な工具を加工事例(小径内歯車の樹脂加工など)とともに展示。さらに、超硬・セラミックスなど、硬脆材の加工コスト低減を削減するPCD工具ブランド『6C×OSG』を展示した。

ジルコニア加工事例(形状加工、穴加工、ねじ切り加工)や超硬加工事例(形状加工、穴あけ加工)を示す中、オーエスジーブースの説明担当者は、「超硬合金やセラミックス、石英ガラス等の硬脆材は、研削加工や放電加工を行うのが一般的だが、加工時間が長く生産性が上らないのが課題」とした上で、「硬脆材加工に特化したブランドである6C×OSGで、加工品位も生産性も妥協しない新しい加工常識を提案する」と意気込みをみせた。

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