【決算発表】立花エレテック 売上高初の2千億円突破、全利益項目で過去最高更新
「コンポーネントからソリューションへ」PJ推進(布山社長)
技術商社の立花エレテック(本社=大阪市西区)は5月11日、2023年3月期(22年4月1日~23年3月31日)の連結業績を発表した。
売上高2272億6600万円(前年度比17・5%増)、営業利益103億1600万円(同53・8%増)、経常利益110億100万円(同48・4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益78億4100万円(同52・4%増)。売上高は初めて2千億円を突破し、すべての利益項目で連結会計年度として過去最高を更新した。布山尚伸社長は、「全事業で好業績を収めることができた。特に半導体デバイス事業における伸長が全体業績を大きく押し上げた。FAシステム事業については、これまでのコンポーネントビジネスからシステム、ソリューションビジネスへの展開が、さまざまな状況にあるお客様のニーズに合致し貢献した」と経営成績の概況を述べた。さらに「海外売上高は、中国のロックダウン等の影響はあったものの、海外の日系顧客向けを中心に好調な需要に支えられ、売上高が大幅に伸長し過去最高となった結果、海外関連売上高の比率は18・2%となった」と続けた。
施設事業の売上高が過去最高に
売上高についてセグメント別に見れば、FAシステム事業は1149億1700万円(前年度比13・4%増)、半導体デバイス事業は890億1700万円(同24・3%増)、施設事業は175億4700万円(同14・3%増)、その他は57億8400万円(同13・5%)、このうち海外関連事業は412億6900万円(同23・8%増)となり、施設事業は過去最高を記録した。FA機器分野では、半導体製造装置関連や物流関連の設備投資が好調であり、プログラマブルコントローラー、インバーターおよびACサーボが好調に推移した。産業機械分野では、補助金効果によりレーザー加工機とマシニングセンタが大幅に伸長し、産業デバイスコンポーネント分野でも、タッチパネルモニターが伸長するとともに、子会社で接続機器が大幅に増加した。また、半導体・デバイス事業の需要は年間を通して高水準に推移し、一部製品の確保に奔走する状況が続く中、マイコン、ロジックおよびパワー半導体が大幅伸長し、過去最高を更新した。
その上で、24年3月期の連結業績については、「23年度に受けた様々な外的要因を、戦略事業をもってきっちりとリバウンドを跳ね返していく対応を、引き続きさらに強化しながら取り組んでいく。上期までは受注残が見通せているが、下期は、リスク要因というわけではないが、先期は海外において為替変動が大きかったことなども踏まえている」として、売上高2230億円(前年度比98・1%)、営業利益95億円(同92・1%)、経常利益100億円(同90・9%)、親会社株主に帰属する当期純利益70億円(同89・3%)と減収減益を予想する。
▲ 全事業での好業績を報告する布山社長(東証 大阪取引所にて)
2023年5月24日