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オーエスジーの現時点 /定時株主総会開催 売上高、営業・純利益 過去最高を報告

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「カーボンニュートラル時代に向けて世界のモノづくり産業に貢献するエッセンシャル・プレーヤーへ」(大沢社長)

 DX・自動化「新大池工場」建て替え―超硬エンドミル生産能力最大化へ

オーエスジー(本社=愛知県豊川市)は2月17日、ホテルアソシア豊橋で第110回(2022年11月期)定時株主総会を開催した。

議長を務めた石川則男会長は議案審議に先立ち、出張で久々に訪れた東南アジアの近況にふれ、「町中に若者があふれ、ものすごい熱気を感じた。ホーチミンはじめ新興国の発展ぶりには、今後の投資先を考えさせられた」とあいさつとし、同社を取り巻く経営環境の説明および映像とナレーションによる事業概要、業績等について、概ね次の内容を報告した。

前期(22年11月期)における経済環境は、グローバルサプライチェーンの混乱、ロシアによるウクライナへの侵攻や各国におけるインフラ懸念など大きなマイナス材料に直面し余談を許さない状況が続いたが、オーエスジーグループにおいては全体的に回復基調となった。しかし期の終盤にかけて各国における高インフレとそれに伴う金融引き締めの影響により、景気回復のペースが鈍化。一方で為替市場においては主要国と日本の金融政策の違いなどにより、急激な円安局面へと突入した。オーエスジーにおいてはアジアでは国によって強弱のある結果となったが、米州および欧州、アフリカでは総じて回復が堅調だった。とりわけ、自動車関連産業において回復が思うように進まずに足踏み状態となっている中、オーエスジー主力製品であるタップの売り上げが一般部品産業向けに堅調に推移し、航空機関連産業においても底を脱し、徐々に新規案件なども増え、回復基調になっている。この結果、売上高は1425億2500万円(前期比13・0%増)、営業利益は218億9800万円(同36・0%増)、当期純利益は165億3400万円(同50・5%増)と過去最高を記録した。

セグメントの業績では、日本は売上高734億7400万円(前期比7・3%増)、営業利益96億1700万円(同35・1%増)。米州は売上高287億6300万円(同27・9%増)、営業利益43億2700万円(同36・4%増)。欧州・アフリカは売上高292億2700万円(同18・3%増)、営業利益28億2千万円(同45・1%増)。アジアは売上高384億3百万円(同15・2%増)、営業利益63億9200万円(同39・2%増)。今後の取り組みとして、社内的にはESG経営(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを強化していくとし、クロッシング政策、Aブランド製品の拡充・拡販、DX生産方式、新工場建設などを進める。その上で今期(23年11月期)は、売上高1450億円、営業利益240億円をめざす。

24年度営業利益300億円・ROA15%目標、売上比率Aブランド40%、微細精密30%へ

総会(報告事項・決議事項第1~5号)終了後は株主懇談会へと続き、大沢伸朗社長はじめ中華圏(増岡仁史氏)および北米(ジェフ・テナント氏)の担当役員がそれぞれプレゼンテーションに立った。

このうち大沢社長は「中期経営計画の取り組み」と題し、同社業績と中期経営計画の変遷、昨年からスタートした中期経営計画「Beyond the Limit 2024」の進捗状況について、「これまで『世界トップの穴加工メーカーとなる』べく、タップの世界トップシェア、急成長のドリルと予想を超える変化の中で、今後のカーボンニュートラル(CN)時代に向けて『世界のモノづくりに貢献するエッセンシャル・プレーヤーへ』道筋を示す新中経を策定した」と述べた。さらに、ESG経営の推進においては、「1997年当時、まだ誰もサステナビリティを語らない時代から、前大沢輝秀会長の『地球会社、健康会社、環境にやさしい会社』の方針を掲げ進んできた」とも説いた。これらを踏まえ、中期経営目標(24年11月期)として、営業利益300億円、ROA(営業利益ベース)15%を掲げ、「事業効率の再強化を行い、安定して利益を生み出せる企業体質の強化を行う」基本方針を示した。また、タップ、ドリル、エンドミルの売り上げに占めるAブランドの標準品売上比率を24年には30%(22年実績27%)、27年には40%。顧客別ポートフォリオで微細精密加工向け比率を24年に20%(22年実績16%)、27年に25%、30年には30%をめざす旨言及した。

 

▲「事業効率を再強化する」と大沢社長     ▲議長を務めた石川会長

 

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