ユーザー通信:日本ものづくり業界の発展に寄与できる情報媒体 UT-net.jp

特例子会社「オーエスジーアクティブ」設立/OSG全体の障がい者雇用を創出

ユーザー通信 WEB版

地域貢献に取り組む

オーエスジー(本社=愛知県豊川市)は、昨年10月4日設立の子会社・オーエスジーアクティブ(本社本館3階、田中秀典社長/以下、アクティブ社)が同12月13日に特例子会社として認可され、オーエスジー全体の障がい者雇用を創出し、地域貢献のための事業を開始した。

アクティブ社は、親会社であるオーエスジーが目指すESG経営(環境・社会・管理体制)における障がい者雇用の分野を主に担っていく会社となる。特例子会社として独立した最大の理由としては、別会社になれば、障がい者たちの障がい内容や特性に配慮した就業規程の策定が容易になる点が挙げられ、法定雇用率の面でも親会社に貢献できる。法定雇用率の達成・維持を前提として、障がい者たちが安心して働き、それぞれの職場で躍動し、輝けるような環境をつくり、地域・社会貢献を推進していくために、特例子会社のアクティブ社は立ち上げられた。今回、豊川市で唯一認可(切削工具業界では初)されている特例子会社であるアクティブ社について、オーエスジーの大沢伸朗社長とアクティブ社の田中秀典社長が、今年1月16日に竹本幸夫豊川市長を表敬訪問し、事業開始にあたって事業概要の説明等を行った。

一般的に特例子会社の多くは、設立の目的が法定雇用率の達成にあり、特例子会社をつくり、そこへ障がい者たちを集め、本体とは切り離し、本体とは違う作業を行い、法定雇用率の達成を目指すというスタイルが取られているが、「オーエスジー流の特例子会社」は、障がい者たちも「戦力」と考えており、現場で一般の作業者といっしょに、ふつうに働いている。一般の作業者は主となる生産活動に多くの時間を割いているが、障がい者の担当業務として、機械に溜まった切りくずの処理、床面清掃車による工場床面の清掃、製品の次工程への移動、工具の洗浄等がある。オーエスジーのモデルでは、一般の作業者は主たる生産活動に注力し、その他の作業を特例子会社が作業を受託し、この作業を障がい者たちが担という形をとっている。それにより、一般の作業者は主作業に専念できるため、全体の生産効率の向上を図ることができる。その上で、障がい者雇用の継続に必要なのが、親会社経営層の理解と実際に作業をする現場の上長・班員の協力と障がい者施設や各支援機関との連携であり、知的障がい者、精神障がい者たちには障がい者施設の担当者が付き、生活面で様々なサポートをし、必要であれば各支援機関とも連携をとり多様な問題に対処している。

またアクティブ社は、豊川市役所の福祉課・社会福祉協議会が主催する、「就労部会 就労支援連絡会 企業座談会」に障がい者雇用を進める豊川市の企業の代表として参加している。この企業座談会は、スタート時の参加企業は3社だったが、現在は6社が参加しており、各企業が抱える障がい者雇用の問題の意見交換をする場となっている。「参加企業の中では、オーエスジーが積極的に工場見学会を実施して、オーエスジーの障がい者雇用の状況を見て、感じていただいています。企業だけでなく、各障がい者施設や各支援機関の方々にもオーエスジーの工場を見学いただき、最近は支援機関の方々から、障がい者雇用に関する講演会の依頼も増えるなど、我々も学習させていただいています」とアクティブ社の田中社長。昨年末には親会社オーエスジーから豊川市内にある障がい者施設5施設へ各50万円、特別支援学校平尾本校・本宮校舎へそれぞれ25万円ずつの計300万円の寄付が行われ、「各障がい者施設、特別支援学校ともに非常に喜んでいたき、多くの感謝の言葉をいただいた」と続ける。

なお、特例子会社を設立するためには、「親会社の経営基盤がしっかりしていること」「親会社の経営層が障がい者雇用に積極的であること」「現場の上長、班員の理解・協力があること」といった項目が不可欠になる。オーエスジーはこれら項目を満たしており、アクティブ社の運営および社員の作業活動は非常に恵まれた環境にあり、地域の障がい者施設や各支援機関と密接に連携して、より良い特例子会社の運営に努めていく。

 

▲(写真左)豊川市長へ表敬訪問(左からオーエスジーアクティブ田中社長、竹本市長、オーエスジー大沢社長)
▲(写真右)新城工場内洗浄作業

» «