ユーザー通信 246号 4面 :ダイジェット工業のJIMTOF2022/多様化・難削化する被削材に適応する最新工具を出展
11月8~13日に東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2022」でダイジェット工業(本社=大阪市平野区、生悦住歩社長)は、多様化・難削化する被削材に適応し、高能率・高精度・長寿命に貢献する最新MC加工用工具(金型加工用工具・ドリル)を中心に、ユーザーの加工改善につながる高性能な工具を多数出展する。このうち、直近新発売となった製品群についてピックアップする。
◆新開発 高能率肩削りカッタ『SIC-EVO』・・・・・・片面2コーナーの三次元インサート使用により、低切削抵抗でかつ切りくず排出性に優れた肩削り加工用刃先交換式カッタ『SIC-EVO』(SSV形)を 開発し、高能率かつ高精度な加工を可能とした。主な特長は次の通り。①切りくず排出性とカッタ本体剛性に優れ、軸方向切込み量(ap)最大15㎜可能な高能率肩削りカッタ。側面加工、平面加工、溝加工、ポケット加工など幅広い用途で高能率な加工を実現できる②インサートの外周切れ刃軌跡を円弧状とすることで、大きな軸方向切込み量でもカスプハイトが小さく抑えられ、高能率かつ高精度な立壁仕上げ加工を可能とした③インサート材種は、一般鋼や 35HRC以下のプリハードン鋼、ステンレス鋼に適し、耐欠損性に優れた材種「JC8050」と、鋳鉄および50HRC以下の焼入れ鋼に対応する耐摩耗性に優れた汎用材種「JC8118」を採用。主用途は、炭素鋼、工具鋼、プリハードン鋼、50HRC以下の焼入れ鋼、鋳鉄、ステンレス鋼の肩削り加工用。
◆刃先交換式ドリル『TA-EZドリル』にフランジ付きシャンクタイプ・インサートサイズを拡張・・・・・・多様化する市場のニーズを捉え、刃先交換式ドリル『TA-EZドリル』(TEZD形)に新たに、フランジ付きシャンクタイプ本体(TEZD-F-MS/ML/XL形)およびインサート(TEZ形)のサイズラインナップを拡張することで、ユーザーニーズに対応する。主な特長は次の通り。①切削抵抗が低い独自の刃先形状で高能率な穴あけ加工を実現②工具交換はインサートを交換するだけで可能で大変経済的③本体は高剛性ボディを採用し、本体寿命のみならずインサート寿命を大幅アップすることが可能でコストダウンを実現④独自のクランプ方式により、切刃部が確実に給油され切削性能アップ⑤フランジ付きシャンクタイプはドリルセット時の剛性を向上させ、安定した性能で長い加工寿命を実現。主用途は、炭素鋼、工具鋼、合金鋼、鋳鉄、ステンレス鋼の穴あけ加工。
◆『TA-EZドリル』に耐熱合金用インサート追加・・・・・・インサート交換が容易で切削性能に優れるTA-EZドリル(TEZ-S形)にステンレス鋼、チタン合金や耐熱合金用のインサートを追加ラインナップし、幅広い市場への加工対応を可能とした。主な特長は次の通り。①新シンニング形状により切削動力値が低減され、シャープな先端形状と幅広いシンニングポケットで食いつき時の求心性が向上し、良好な切りくず排出により安定した穴あけ加工を実現②微小マージン幅を広いランド幅で支える外周形状により、ステンレス鋼、チタン合金や耐熱合金加工時の切削熱の発生を抑制し、加工面粗さ向上と長寿命を実現③独自の給油方式により切刃部が確実に給油され切削性能アップ④耐熱亀裂性、耐欠損性、耐酸化性に優れた新超硬コーティング材種「JC7515」の採用で、安定した長寿命を実現。(※加えて、前出のTA-EZドリル/TEZD形の②③と同特長)
◆新コーティング材種『DS1シリーズ』インサートを新規ラインナップ・・・・・・難削材加工用新コーティング材種『DS1シリーズ』インサートに新たにショルダーエクストリームEXSAP-11用インサート/ミラーボールSSインサートを新規ラインナップした。主な特長は次の通り。①難削材加工に特化したコーティング材種「DS1」コートを採用②コーティングの密着性が強く耐欠損性と平滑性に優れる③低化学反応性で平滑な表面のため被削材に対する耐溶着性が向上。主用途は、チタン合金、耐熱合金など難削材の荒加工・中仕上げ加工・仕上げ加工。
◆ソリッドエンドミル『ハード1ラジアス』にアンダーネックタイプをラインナップ・・・・・・ソリッドラジアスエンドミル『ハード1ラジアス』(SFSR形)のレギュラーサイズに加え、新たにアンダーネックタイプをラインナップした。焼入れ鋼などの高硬度な鋼材の直彫り加工で、ポケット加工や立壁加工時に加工物と干渉しないアンダーネックタイプのシリーズを揃え、高能率加工のさらなるニーズに対応する。主な特長は次の通り。①荒加工から仕上げ加工まで幅広く対応し、工具剛性を向上させた4枚刃ソリッドラジアスエンドミルで、ポケット加工や立壁加工時に加工物と干渉しないアンダーネックタイプを取り揃え、びびり振動を抑制してより深い高能率加工が実現できる②高精度なコーナーR切れ刃と外周切れ刃はシームレス形状を採用、不等分割・不等リードで切削抵抗を低減し、良好な仕上げ面と加工時のチッピングを抑制できる③彫り込み加工が可能な広い切りくずポケットを有する中心刃形状で、(L/D=0・2)以下のドリリング加工も可能④高速回転における剛性と精度を有した焼きばめホルダ(シュリンク)やハイドロツーリングに適応可能なシャンク精度を有している⑤超硬コーティング材種に高硬度材加工用新材種「DH110」を採用。超硬母材は超微細なWCを用い優れた刃立ち性が得られる。被膜「DH1」はナノ多層膜で構成された耐高温酸化性、耐衝撃性、被膜靭性および密着性において優れた材種である。
ワークショップ開講 「DS-1シリーズ」の改善事例交えチタン合金等の高能率加工を提案
なお、11月11日(金)15時~16時には、東京ビッグサイト会議室棟6F・606会議室にて、「『DS-1』新コートによるチタン合金等の高能率加工のご提案』と題した出展者ワークショップを開講し、難削材といわれるチタン合金、耐熱合金の加工における溶着による初期欠損や急激な摩耗の進行等の問題解決策を『DS1シリーズ』の改善事例を交えながら提案を行う。【小間番号・W1038】
▲「SIC-EVO」 ▲「TA-EZドリル」
2022年10月31日