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ユーザー通信245号 3面: THK 上半期決算

ユーザー通信 WEB版

グローバル生産体制を拡充

THK(本社=東京都港区)の2022年12月期第2四半期の決算説明会は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、8月10日に今回も電話会議での開催となった。寺町彰博社長の説明による決算ハイライトの内容は、概ね次のとおり。

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 連結売上収益は、前年同期比23・6%増加の1866億円となった。産業機器事業においては、半導体関連や自動化、ロボット化の進展、EV関連などを中心に全ての地域において需要が好調に推移した。このような中、これまで生産能力の増強を進めてきたことにより、これらの需要を着実に売上収益へとつなげることができた。一方、輸送機器事業においては、半導体等の部品不足に加え、中国のロックダウン、ウクライナ情勢に伴う自動車の減産を受けた。営業利益は、輸送機器事業が自動車の減産や鋼材価格の値上がりにより、営業損失になったものの、産業機器事業における売上収益の増加が大幅増へと寄与し、前年同期比88・9%増加の209億円となった。これらの結果、売上収益、営業利益ともに上期計画を上回り(売上収益96億円・営業収益19億円)、前年同期比では大幅な増収増益となり、地域別の売上収益の推移でも、各地域で前年同期に比べ大幅な増収となった。営業利益の増減要因について、産業機器事業において前年度上期と比較したベースで、減益要因としては売上収益の増加に伴う労務費、人件費などの固定費の増加が38億円。増益要因としては売上収益の増加に伴う数量効果が114億円、変動費比率の影響が4億円、為替の影響が26億円、その他損益が3億円となっている。一方、営業損失となった輸送機器事業の減益要因は、鋼材の値上げなどによる変動費比率の影響が19億円、増益要因としては売上収益の増加に伴う数量効果として3億円、固定費の減少が2億円、為替の影響が3億円、その他損益が1億円となっている。

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 なお、主な取り組みの中では、THK常州(中国)増築新工場の今年6月稼働、THK遼寧(中国)増築新工場の今年12月完成、THK新潟増築新工場の今年11月完成、福岡ソリューションセンタの今年8月開設といったグローバル生産体制の拡充(産業機器事業)や最先端の自働化を間近で体験できる課題解決型サポート拠点についてほか、寺町社長は、産業機器事業では「シェア拡大・グローバル供給能力増強」「新製品の開発・加速」「DXの推進(Omni THK、OMNIedge)」を、輸送機器事業では「次世代自動車向け製品拡大」「アルミ製品強化」「収益性改善」への期待に言及した。

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