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ユーザー通信233号2面 全セグメント減収も セキュリティ事業が大幅増収 ジーネット・フルサトグループ 決算報告

ユーザー通信 WEB版

全セグメント減収も

セキュリティ事業が大幅増収

ジーネット・フルサトグループ 決算報告

6月25日、ジーネットおよびフルサトグループの2021年3月期(20年4月1日~21年3月31日)決算関連報告が、今回は感染対策としてリモートオンリーで開催され、同社本社ビル(大阪市中央区南新町1丁目)から、古里龍平社長と大谷秀典常務が会見に臨んだ。

売上高は前年比14・5%減収の894億7800万円。営業利益は同30・1%減益の27億7800万円。EPS(1株当たりの利益)は133円53銭(前年比31・1%減)。同社は配当性向を30%と決めているため、1株配当金は40円50銭と18円減配した。

その反面、総資産が圧縮されたことによって、自己資本比率は66・20%と改善している。

「売上が3分の1減ってしまった」(対前年151億4千万円減収、対計画達成率97・4%)と切り出した古里社長は、決算内容を概ね次のようにまとめ、説明した。

◇  ◇  ◇

セグメント別売上高では、機器工具は前年比8・3%減収の455億3400万円。本来ならもっと減少しているであろうと考えられるが、唯一好調だったのがセキュリティ事業であり、前年比59・8%増収と順調に売上高を伸ばしているように見えるが、これは、瞬間風速。カメラで体温測定する仕組みが一般的に普及し、コロナ禍の下で最低限準備できるものがサーマルカメラだった。

これが爆発的な販売を見せた結果、機器工具全体ではなんとか8・3%の減収で踏みとどまった。

同じく機器工具内の事業別売上高では、工業機器(ジーネットの工具類)は前年比10・5%減収。

一時期、トヨタを中心に中部エリアの自動車産業が購買を急激にストップしたことにより自動車向け機械工具(岐阜商事)が26・8減収と想定以上に減少した。

住宅設備機器は下期中心に回復し、3・3%減少で留まった。

機械設備セグメントの売上高は30・8%減収の143億2千万円。下期に若干の改善傾向が見られたが大きく苦戦し、全セグメント中で最も足を引っ張った。

工作機械の売上高は前期末受注残落ち込みの影響で大幅減収、通年での受注は前期比13・1%減少したが、足元の状況は、前年をそれなりに超えるような受注を確保でき始めている。

フルサト工業の分野である建築配管の売上高は下期も減少傾向で、13・6%減収の296億2400万円となった。

東京五輪の需要が一巡し、かつ五輪期間中には建物の竣工はないといわれ、昨年6月あたりから工事はなくなった。

加えて五輪開催自体が延期となったため、五輪終了後に着工予定だった案件も先延ばしとなり、その過程でのコロナ騒動でインバウンド狙いだった建築物は需要そのものが消失し、建築需要が大きく落ち込んだまま期を終えることとなったが、販売商品の単価がどうにか維持されたゆえに、売上高の落ち込みはこの程度で済んだのが現実。

販管費および一般管理費では、売上減収に伴い運賃・荷造費が9600万円減少。一昨年に貸倒計上した大型機械の未回収案件が最終的に和解し全額回収されたことにより、貸倒引当戻入額が1億7100万円増加した。

また、子会社のセキュリティデザインの元社長(創業者)の退任(今年6月から古里社長が兼任)にあたり、役員退職慰労金支払等により人件費が1億6300万円増加した。

今期(22年3月期)の業績見通しについては、まだ情報開示を控えている。理由は、新型コロナの影響が継続する中で各セグメントの見通しが極めて不良であることに加え、マルカとの経営統合(※本紙3面参照)における決算期の変更によるもの。

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続いて大谷常務から営業戦略として、簡単解決カタログ、EGSolutionカタログ、新斬MONOカタログ、TOKU通、ワーク着脱ハンドリングシステムチラシ、かんたん解決 SDGs編、ギガ新製品のエアータンク・安全棚・パーツクリーナー、ウエビナーアーカイブといった各種セールスツールや新製品、システムについての案内、解説が行われた。

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