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ユーザー通信232号5面 サンドビックの「デジタルセルフサービス」

ユーザー通信 WEB版

サンドビックの「デジタルセルフサービス」

加工への準備時間を短縮し、加工効率を向上するデジタルアプリ

サンドビック・コロマント(本社=名古屋市名東区、山本雅弘カンパニープレジデント)では、近年、デジタルセルフサービスに注力しており、加工をサポートするさまざまなデジタルセルフサービスツールを提供している。
デジタルセルフサービスとは、最適な工具や切削条件の選定、チップ摩耗分析など加工に役立つデジタルアプリケーションで、それらを使用することで加工に最適な工具をすばやく検索できたり、工具の干渉をオンラインでチェックしたり、標準品をオンラインでカスタマイズできるなど加工への準備時間を短縮し、加工効率を向上することができる。
ここでは、数多くあるデジタルセルフサービスツールからいくつかピックアップして紹介する。

製品情報

まずは「製品情報」について紹介する。サンドビック・コロマントのウェブサイトには一部特殊品などを除く全製品の情報が掲載されている。1製品毎にウェブページがあり、工具の寸法や最大切込み量、重量などあらゆるパラメーターを確認することができる。
また、各製品ページには2D、3D図面があり、ダウンロードが可能である。そして、その工具に対する部品や対応するチップの情報は、各製品ページにある「部品」や「対応チップ」のタブをクリックするだけで該当する情報が一発で表示される。従来は、工具に対する部品や対応する製品を調べるためにはカタログをひっぱり出し、該当ページを探していたのに対し、クリック1つで情報を得られるので、非常に便利だという声が多く寄せられているという。

CoroPlusⓇツールガイド

次に「CoroPlusⓇツールガイド」は、切削工具の選定作業を簡略化し、加工に最適な工具を短時間で簡単に選定できるソフトウェアである。加工内容、被削材情報、加工の寸法、機械タイプの4つを選択や入力することでその加工に適した推奨工具型番と切削条件や目安の工具寿命を得ることができる。
機械の種類やカップリングやクーリングなどの仕様も細かく設定が可能で、詳しい設定をすることでより正確な切削条件を得ることが可能となっている。

オンラインツールアセンブラ

続いて「オンラインツールアセンブラ」は、オンライン上で工具の組付けができる機能で、組付けた形状や寸法などの確認が可能だ。さらに組図のCADデータもダウンロードできるため、CAMなどで干渉チェックを行うことも可能。また、組付け後の総重量も表示されるため、例えば機械で制限のある際は適応可能かの確認もできる。
使い方は簡単で、組付けしたい工具のページから「アセンブリを作成」ボタンを押すとオンラインツールアセンブラが立ち上がる。組付けできる工具が自動で選択されるため、そこから選択することで組図ができあがる。

適合チップチェック

次は「適合チップチェック」を紹介する。これは現在使用している他社チップと同様のサンドビック・コロマントの代替製品を確認する機能であり、使用しているチップのブランド、加工内容、材種、ブレーカを選択するだけですぐに該当するサンドビック・コロマントのチップを確認できる。

工具摩耗識別アプリ

「工具摩耗識別アプリ」は、スマートフォンにマイクロスコープを装着して工具摩耗を写真撮影し、画像データベースの摩耗タイプと比較することができるアプリだ。比較することで摩耗の種類を特定し、原因・対策を確認することができる。

Ifindアプリ

最後に「Ifindアプリ」は、サンドビック・コロマントのデジタル機能にクイックアクセスできるアプリだ。ここまで紹介したデジタルセルフサービスツール機能にもこのIfindアプリから簡単にアクセスできるほか、加工動画が集約されているYouTubeにもアクセスし、技術記事なども閲覧することができる。
また、Ifindアプリにしか備わっていない機能として、製品バーコードのスキャン機能がある。工具のパッケージに記載された製品バーコードをIfindアプリからスキャンすることで、製品ページに瞬時にアクセスできる。例えば現場で部品情報などを見たい場合に便利に使用できる。
サンドビック・コロマントでは、今回紹介した機能以外にも、加工準備時間の短縮に役立つさまざまなデジタルセルフサービスツールを提供している。

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