news-新製品 日本トムソン コネクティングロッド用ニードルケージに新表面処理『PMコート』を新開発
日本トムソン(本社=東京都港区高輪、宮地茂樹社長)は、4サイクルエンジン内で使用されるコネクティングロッド用ニードルケージの新しい表面処理『PMコート』を開発し、エンジンメーカー向けの特殊仕様として出荷を開始した。
IKOコネクティングロッド用ニードルケージは、高温下で、強い衝撃荷重、高速運動、厳しい潤滑条件など極めて複雑で苛酷な条件での使用にも耐える優れた剛性と耐摩耗性をもった軸受である。その性能はレース用オートバイエンジンなどで数多く実証され、軽自動車、オートバイ、船外機、スノーモビル、汎用エンジンおよび高速コンプレッサなどのコネクティングロッド用軸受として広く使用されている。
近年ではエンジンの高出力・高性能化が進み、より高速で厳しい潤滑条件での使用を余儀なくされ、このような条件下において潤滑効果を高めるために、保持器に非鉄金属の表面処理(銅めっきおよび銀めっき)を施した仕様を提供している。
しかし、従来から使用されている表面処理は、4サイクル用エンジンオイルに含まれている添加剤の硫黄イオンと化学反応を起こして劣化・消失するため、コネクティングロッドの早期摩耗の原因となっていた。
新開発した表面処理PMコートは、特殊な樹脂によるコーティングであるため、硫黄イオンと化学反応することがなく、かつ、コネクティングロッド用の保持器としての十分な耐摩耗性も兼ね備えている。
また、摩耗粉などのコンタミ(不純物)に対しても従来以上の耐性があり、さらには、摩擦係数が銅めっき・銀めっきの約1/2と非常に低いため摩擦によるエネルギーロスが小さく、地球環境にも優しい表面処理である。
2019年6月15日