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ユーザー通信201号抜粋 『三井精機工業 × JIMTOF2018』 ねじ研削盤のフルモデルチェンジ機など 新製品・新機軸3機種を出展

ユーザー通信 WEB版


『三井精機工業 × JIMTOF2018』
ねじ研削盤のフルモデルチェンジ機など
新製品・新機軸3機種を出展

 
三井精機工業(本社=埼玉県比企郡川島町八幡、奥田哲司社長)は、今年12月29日に創業90周年を迎えるにあたってのスローガン「『人』と『技術』を未来へ」そのものをテーマとし、JIMTOF2018に出展する。
 メモリアルイヤーとなる今回はこれまでとは大きく異なり、ジェイテクト、光洋機械工業との共同ではなく「単独出展」となる。
 より独自色が出しやすくなったとはいえ、正確にいえば、前回(2016年)はジェイテクトとは実質、別であり、光洋機械工業との共同だった。その際の「なるべく開放的なブースにしたい」との考えは継続させ、要は「壁を一切つくらず」機械中心に見せることのできるスタイルを採る。
 そんななか、工作機械では、5軸マシニングセンタ『Vertex100X』(新製品)、ねじ研削盤『GSH200A』(新製品)ジグ研削盤『J350G』、コンプレッサは、オイル式インバータコンプレッサ『ZV37AX-R』を展示。工作機械出展3機種のうち、2機種が初公開の新製品となる。

シリーズ初の50番テーパー
 ―5軸MC『Vertex100X』

 Vertex100Xは、今年1月にプライベートショー(MTF)で川島本社工場内でのみ参考出品されたが、公には今回のJIMTOFで初披露される。
 機械の幅3m、奥行き4・3mのコンパクトなボディーにもかかわらず、最大でΦ1250㎜、高さ850㎜のワークが積載可能であり(同社他機種では「HU80A‐5X」に相当)、回転軸はDDモータ駆動で、高い回転速度とともに俊敏な加減速を実現した。
 航空機エンジン部品に使われるブリスクの同時5軸加工において、高品位な加工面と高い生産性を実現する。主軸はシリーズ初となる50番テーパーの1万2千回転で、より長い工具長や重切削への対応力が増した。

『三井精機工業 × JIMTOF2018』
ねじ研削盤のフルモデルチェンジ機など
新製品・新機軸3機種を出展

CBN砥石も使用可能
 ―ねじ研削盤『GSH200A』

 GSH200Aは、精密ボールねじ等の加工で定評のあった「GSE200A」のフルモデルチェンジ機。GSE200Aの開発は90年代初頭だが、これまで改良はあったものの、フルモデルチェンジとなればかなり久々となる。「変えるべきではない」「ずっと培ってきた」部分は変えず、ワークの主軸や砥石軸など、「さらにスペックアップできるのではないか」というところを大幅に変えており、ニッチな市場向けではあるが、「かなり画期的に変わった」と自負する特長は、次のとおり。
 ①フルクローズド制御と各ユニットの低振動化等で、さらなる高精度なねじの加工を実現②ワーク主軸、砥石軸回転数の性能向上で加工時間の短縮③普通砥石に加え、CBN砥石も使用可能④クーラントは従来の油性に加え、新たに水溶性も使用可能⑤ねじの有効性を自動で測定し、測定値を反映して自動補正・加工が可能。
 このように、基本となる精度・機能は変更せずに最新の技術を取り入れて精度・生産性・操作性を大幅にアップした。

研削盤では珍しいATC装着
 ―ジグ研削盤『J350G』

 一方、既存機種のJ350Gは、最大の砥石切り込みストローク(マイナス3~+50㎜)をもち、1本の砥石で遊星回転により径の異なる丸穴の連続加工ができるジグ研削盤として、前回JIMTOF(2016年)にも出展したが、今回は、研削盤では珍しいATC(砥石自動交換装置)を装着したことで、穴径に最適な砥石を自動交換できるため、このストロークの有効活用が可能になった。
 さらに、自動計測補正装置と組み合わせることによって、今まで熟練した作業者しかできなかった高精度研削作業の自動化・無人化の実現といった新機軸を打ち出す。

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