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牧野フライス製作所、5軸横形MC『a500iR』発売 JIMTOFで披露へ

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牧野フライス製作所(本社=東京都目黒区、宮崎正太郎社長)は、高精度・高生産性を実現する5軸制御横形マシニングセンタ『a500iR』の販売を開始した。

a500iRは、5軸加工で高い加工精度と俊敏な動作を実現するため、B軸ロータリテーブル上にC軸ロータリテーブルを搭載する機械構造を採用。加工反力を効率的に受けるスラントコラム構造と高剛性なB/Cロータリテーブルの組み合わせにより、高い加工能力を実現する。また、B軸の旋回範囲を-110°~+180°まで広く確保し、複雑な加工形状に対応、工程集約を可能とし、自動車や航空機、半導体など幅広い業種・分野での高能率加工を実現する。

最大ワーク寸法は、径Φ900㎜×高さ600㎜、質量400㎏で、ロータリテーブル内部には変形調整機構(特許取得済)を内蔵することで、ワークの質量に応じてテーブルの変形(傾き)を改善し、重量ワーク積載時にも高い加工精度を可能とした。

主軸には、1万4千回転主軸を採用。最高回転数までの立ち上がり時間を1・6秒から1・2秒に高速化(従来比25%向上)、高速回転時の出力も40%アップしたことにより、非切削時間・切削時間を短縮し、鋳物の重切削やアルミの削りだし加工等で生産性を向上する。今後、2万回転、2万4千回転主軸を順次ラインアップする予定。

この他の特長は、次のとおり。①切りくずが堆積しやすいC軸ロータリテーブル下部にクーラントを流し、切りくずを洗浄。除去された切りくずは、テーブル直下のセンタトラフへ運ばれ、確実に排出処理する②経済性・環境に配慮した機械制御や省エネ機能を搭載し、消費電力を削減する③傾転機構付きパレットチェンジャを標準搭載し作業性を向上。工具収納本数を標準で90本に増強し、工程集約に対応するほか、パレット上への油空圧供給(スルーパレット油空圧供給)によるワーク把持、パレット搬送システム、パレットマガジンにも対応し、自動化・省人化をサポートする、等。

9月の米国・シカゴで開催の「IMTS2024」、11月に東京ビッグサイトで開催する「JITOF2024」に出展・披露し、来年2月から出荷を開始。年間30台の販売を予定している。

 
▲最大ワーク搭載時

 

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