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「新生・日本キヤリア HVAC&R展」を全国規模で展開

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気候変動やエネルギーといった問題に対するインテリジェントなソリューション提供で世界をリードするCarrier Global Corporation (NYSE:CARR)傘下の、日本キヤリア(東京都品川区、久保徹社長)は、セミナー&展示会「新生・日本キヤリアHVAC&R展」を全国規模で開催している。

5月1日、東芝キヤリアから日本キヤリアに社名変更後、初の全国展開となる本イベントでは、同社の空調・
冷熱技術や製品群の周知、顧客とのコミュニケーションに基づいたソリューションを提案するほか、日本キヤリアの新戦略を紹介している。5月21日に仙台で開幕し、札幌、名古屋、大阪で開催したほか、今後は9月10日までに、福岡、金沢、広島、高松、群馬と全国計9ヶ所を回り、約5千人の来場を見込んでいる。

1999年に東芝 空調・設備事業部と米国キヤリア社の合弁会社「東芝キヤリア」設立を機に始まったシナジーは、2022年の株式譲渡によるキヤリア傘下となったことで、商品や技術、製造、調達などあらゆる面で加速した。これを久保社長は、「技術とビジネスの両面でさらに大きく変わる契機」と捉えており、今回のHVAC&R展においても、拡充したラインアップやサービスなど、以下を含む多数の商品・新技術を紹介している。

■Carrierターボ冷凍機=シナジー成果の一つとして、海外において販売展開をしているキヤリアブランド
のターボ冷凍機を5月に国内で上市し、本イベントでは1/6スケールモデルを展示している。ビルや工場
などの大空間の空調ができる大型の冷凍機は、日本ではデータセンターや半導体工場、EVの電池工場などで
需要の伸びが見込まれている。キヤリア傘下でのグローバル生産力を活かした短納期体制で、需要拡大に
対応していく。
■ Toshiba Carrier空冷ヒートポンプ式熱源機 USX FIT®=同社が国内市場をリードする、空冷ヒートポンプ式熱源機『SFMC®』の更新対応モデル『USX FIT®』を展示している。既設の配管や電源配線との互換性を持たせ、設備本体のみを置き換え可能にした設計。初期モデルが更新時期を迎える中、工期短縮を可能にしたモデルを、トータルコスト圧縮や現場の人手不足問題へのソリューションとして提案している。
■ Toshibaスーパーマルチminiシリーズ™=ビル用マルチは、設置面積が少なく、店舗リニューアルに向く
『スーパーマルチminiシリーズ™』を展示。同社のビル用マルチは、独自のツインロータリーコンプレッサー
とインバーターとの組み合わせで部分負荷性能を高めた設計です。エネルギーコストの高騰で、これまで以
上に高まる省エネニーズに応える。
■ BluEdge™=ソリューション提案はハードのみに留まらず、キヤリアのIoTプラットフォームをベースとした遠隔監視システム『BluEdge™』で付加価値の高いアフターサービスを普及させていく計画であり、ク
ラウドに運転データを蓄積しモニタリングする同システムは、段階的に拡張し、将来は故障予知や運転最適
化による省エネ提案へ繋げていく予定。

なお、6月18日~19日の2日間にわたり、同社は「新生・日本キヤリアHVAC&R展」の一環として、大阪にて「関西HVAC&R展」を開催した。初日の18日には、同社が協賛するジャパンラグビーリーグワン優勝チームである東芝ブレイブルーパス東京から、チームアンバサダーでラグビー元日本代表の大野均氏を迎え、「弱小チームからワールドカップで勝つまで」と題した講演が行われた。

大野氏は、部員が少なかった大学ラグビー部所属時代から2015年ワールドカップでの対南アフリカ戦での歴史的勝利を振り返り、そして、その勝利の要因に情熱とハードワークを挙げ、「エディ・ジョーンズヘッドコーチ(ラグビー日本代表ヘッドコーチ)ほど、緻密にトレーニングを管理する人はいなかった」と称え、ビジネスも同様に、緻密な管理やハードワークの先に成果が得られことになぞらえた。

国内エネルギー消費における空調動力が占める割合は大きく、環境問題・カーボンニュートラルは業界全体の大きな課題であり、同席した久保社長は、「GX(グリーントランスフォーメーション)やDX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に推進すると共に、環境負荷を低減するための冷媒変更などの開発にも注力していく」ことを掲げた。新生・日本キヤリアとして、キヤリア傘下でのスケールメリットや、連携体制を最大限に活かし、高品質のソリューションと、デジタルプラットフォームを駆使したアフターサービス提供に向けて邁進し、また、キヤリアブランド商品群の日本導入を今後も推進し、ユーザーの役に立てる提案の幅を大きく広げて、キヤリアというロゴを感動に結び付けていく、としている。

日本キヤリアは同イベントを契機とし、ユーザーにさらなる付加価値を提供すべく、時代やニーズに先行した製品を開発し、顧客に価値を提供していく。


▲久保社長(大阪会場にて)    ▲Carrierターボ冷凍機 DV19 1/6スケールモデル展示


▲大阪会場「関西HVAC&R展」のようす(6月18~19日)

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