ユーザー通信:日本ものづくり業界の発展に寄与できる情報媒体 UT-net.jp

[動画] 東陽「BEV一辺倒とは違う未来が到来する可能性を強く感じる」【ユーザー通信262号】

ユーザー通信 WEB版

東陽「BEV一辺倒とは違う未来が到来する可能性を強く感じる」

東陽(本社=愛知県刈谷市)は1月8日、刈谷市産業振興センターあいおいホールにて、2024年新春賀詞交歓会を開催し、多数の取引先が出席し、新しい年の共々の躍進を誓い合った。

はじめに同社の羽賀昭雄会長があいさつに立ち、日本製鉄のUSスチール買収や半導体産業再興への取り組みなどの動向を紹介し、「今年は日本の経営(企業)が再び世界に羽ばたくスタートの年になる。トヨタ自動車も過去最高の好業績で、この勢いを受け当社は、徹底的に強気の攻勢に出る」と強調した。

さらに、世界市場でのEV車の需要に急ブレーキ感が強まっており、ハイブリッドを中心とした全方位戦略が見直され、「新しい時代(完全EV車)までの準備期間ができた」と指摘。「この間にしっかりと競争力強化に努める。改めて、当社の経営の原点である『お客様の信頼を得ながら、サプライチェーンの役割を果たす』ことに徹し、共に変革の時代を乗り越えよう」と呼び掛けた。

 

次いで、羽賀威一郎社長が壇上に。「社長就任以来、多くの方と会話する中で話題は、

①人件費・人手不足による省人化・自動化
②カーボンニュートラルへの対応
③BEV(バッテリー式電気自動車)の動向

の3つに絞られる」と説明した後、自動車部品製造の各工程別の自動化や生産から物流までの一貫した自動化提案を展開しているほか、カーボンニュートラル対応でも自社物件で改善実績の活用をはじめ、幅広い分野の取引先各社の最新技術を活用し、「多様な顧客ニーズに応える提案活動を推進する」と述べた。

次いで、欧米を中心としたBEV市場の動向について言及。
「一時期のBEV需要の減速傾向が顕著で、BEV一辺倒とは違う未来が到来する可能性が強く感じられる。
欧米ではハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)へのニーズも高まっている。
今後も、全固体電池の開発や量産化への動きに注視する必要があるなど、大変革期の最中にある自動車産業の先行きは不透明だが、時代の変化に適応した社内体制の改革に着手している。

主力取引先の皆様とともに、全方位を視野に積極的な提案営業を展開し、飛躍の一年に」と新年の抱負を力強く述べた。なお、羽賀会長、羽賀社長のあいさつの冒頭で、能登半島地震、羽田空港事故での犠牲者への哀悼の意ならびに被災者へのお見舞い、そして一日も早い復興祈念を表した。

 

 

また東陽は、昨年に引き続き、プライベートショーを開催する(3月21日~22日、刈谷市産業振興センター)。

やはり「自動化」「省人化」を軸とした展開が見られそうだ。

» «