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[263A]DMG森精機 23年度決算、売上・利益とも大幅増達成 高付加価値化戦略が寄与

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DMG森精機(グローバル本社=東京都江東区、第二本社=奈良市)が2月5日に発表した2023年12月期決算は、連結売上収益は前期比13・6%増の5,395億円、営業利益は同31・4%増の542億円、当期利益は同33・6%増の339億円となった。

同社ホームページ上でオンデマンド配信されている決算説明会にて、森雅彦社長は大幅な増益となった要因について、「高付加価値ソリューションの提供による値引率低下が利益率改善に寄与した。受注でも、マシニング・トランスフォーメーション(MX)戦略が浸透したことで、受注単価が6,200万円(前年度は5,000万円)と大幅に上昇し、台数の減少を吸収したことで、23年の連結受注高は5,200億円と前年比4・1%減に留めることができた。地域別受注高では欧州が健闘したほか、米国も第4四半期から好転。業種別では、航空・宇宙、医療、EV関連が好調で、12月末の受注残高は2,470億円と高水準を維持した」と説明した。

24年度の業績予想では、連結受注高5,200億円を見込んでいる。売上収益については、2,470億円の豊富な機種受注残高があることから、前年度比0・1%増の5,400億円、営業利益を同5・3%増の570億円、当期利益を同3・1%増の350億円を計画。配当については、「営業利益率を10・6%と予想しており、増益、キャシュフローの改善計画を前提に、1株当たり配当金100円(中間50円、期末50円)と連続増配を予定。『中期経営計画2025』の最終年度の配当計画を一年前倒しで達成できる見込みだ」(森社長)と述べた。

23年度から25年度を期間とした「中期経営計画」の初年度の成果として、森社長は「工作機械受注に占める自動化案件比率は37%で、受注単価上昇に寄与した。最終年度には自動化比率50%を目標に取り組む」と強調。業績見通しについては、「当初計画通り、売上収益6千億円、営業利益720億円(営業利益率12%)、当期利益480億円(当期利益率8%)の達成を目指す。具体的には、顧客の工程集約、自動化、GX、DXによる生産システムの効率化追求を継続し、単価上昇による受注増につなげていく」との方針を示した。

この後、グローバル社員の給与改定や女性エンジニアの教育支援、環境保護や地域活性化への社会貢献活動をはじめ、倉敷機械のグループ化(今年1月5日に完了)、ドイツ・ミュンヘンに欧州本社新設等の事業活動を報告。最後に輸出管理体制について言及し、「全世界で高度な輸出管理体制を構築し、厳格に運用していく」と力説した。


▲「中計最終年度は売上6千億円目指す」と森社長(※PC画面のスクリーンショット)

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