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エプラン 組立と配線の連携を強化する『EPLAN Smart Mounting』ソフトウェア

ニュースリリース

制御盤の製造でもっとデジタルデータの活用を!

制御盤の製造では、短納期対応や熟練作業者の減少、コミュニケーション上の齟齬などが日常的に発生する。こうした問題を電気設計CAD「EPLAN」(エプラン/ドイツ・モーンハイム)は解決の手助けをする。新しい『EPLAN Smart Mounting』(スマート マウンティング)ソフトウェアは、非常に効率的な方法で制御盤の組立てをサポートする。スマート マウンティングは、組み立て作業者に対して、DINレールからケーブルダクト、電気部品までその取り付けをステップごとにガイドしながら、どの部品をどこに取り付けるのかを指示する。3D表示に対応しているので、経験の浅い作業者でも部品をどこに取り付けるべきかを正確に把握できる。さらに、「EPLAN Smart Wiring」と組み合わせれば、ケーブルの取り回しも正確に表示可能になる。

ドイツの展示会SPS(Smart Production Solutions)で初めて公開したこの新ソフトウェアは、制御盤の全組み立て工程をガイドする。制御盤や取り付けパネルの全ての部品について、組み立て・取り付けを支援する。3D表示をサポートしており、ひと目でわかりやすく作業方法が表示されるので、作業者は部品をどこに取り付けるべきかをすぐに把握でき、全ての作業工程をリストとして提示する。たとえばDINレールの取り付けから始まり、 ケーブルダクト、そして最後は補助スイッチやタイミングリレーを取り付けるといった作業のリストだ。ブラウザベースのアプリケーションであるため、インストールは一切必要ない。たとえばタブレットやパソコンなどから作業現場で直接利用できる。「EPLAN Pro Panal」のデジタルツインからは、寸法や位置、取り付け穴のほか、各部品の固定方法など関連する情報が得られる。また作業者は、部品に関するコメントをEPLAN Smart Mountingに直接書き込んで、それを設計部門に送り返すことができる。そのため、回路図や制御盤組立図に関するドキュメントが常に最新に保たれ、現場要望を電話や紙等ではなく、デジタル情報で共有できる。実用的なメリットとして、プロジェクトの変更を素早く製造工程に反映できるようになった。たとえば、 別のモータ用サーキットブレーカやコンタクタを追加するように仕様が変更になった場合、これに対する生産指示を更新し、新しいプロジェクトとしてEPLAN Smart Mountingと同期が可能だ。更新されたプロジェクトを使えば、EPLAN Smart Mountingで、どこの部品を取り外して、どの部品を追加すべきかを正確に表示する。 以前のように図面を突き合わせて比較するといった面倒な作業を行う必要はなく、作業時間の節約になるとともに、正確な作業を確実に行える。たとえ不明な点があっても、EPLAN Smart Mountingから図面に直接アクセスして調べることが可能だ。大きなサポートが得られるのは制御盤の組み立て作業者だけではない。生産管理者にとっても、生産状況の全体を把握可能になり、柔軟性が増す。管理システムとして、緑色なら完了、赤色なら未完了などと各部品の組み立ての進捗が表示される。作業の進捗がデジタルで明確に可視化できるので、すでに開始していた作業指示を、簡単に別の作業者に引き継がせることができ、人員をさまざまな生産工程に柔軟に振り分けて活用することも可能になる。

プロセスは組み立てだけでは終わらない。EPLAN Pro Panalの情報は配線作業にも活用できる。つまり、EPLAN Smart Wiringを使えば、制御盤の配線作業もデジタルデータを活用し、作業者をサポートする。EPLAN Smart MountingとEPLAN Smart Wirinは、どちらもEPLAN Pro Panalの設計データを参照している。 製造現場に至るまでEPLAN Pro Panalの最新の設計データを共有、活用することで、全工程を通じたデータの一貫性を最大限に保証する。同ソフトウェアは、Rittal社の「Wire Terminal WT」など一般的な全自動ケーブルアセンブリ装置に対応している。もちろん既製品のケーブルも利用可能だ。こうしたソリューションの狙いは、初期の設計開発段階から製造に至るまで、できるだけ多くの部分を最高度に自動化し、同時に最大限の品質を保証することである。

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