ユーザー通信 240号 5面 オーエスジーの現時点 株主総会開催、懇談会プレゼンで強調された「コーティングサービスのさらなる拡大」
オーエスジー(本社=愛知県豊川市)は2月18日、ホテルアソシア豊橋にて、感染症予防対策を徹底した上で第109回定時株主総会(2021年11月期)を開いた。出席株主は57名。
議長を務める石川則男会長兼CEOは、前年度を振り返り「自動車産業はじめ半導体産業、ロボットや精密加工向けなどが底堅く、世界的に堅調に推移した」とした上で、「徹底した社内での感染防止対策に努め、コロナ禍による影響は最小限に抑制できた」とあいさつ。続いて、各種議案が審議され、原案通り承認可決された。
前年度事業報告や同社を取り巻く経営環境、活動方針などについては映像を交え説明された。抜粋した主な内容は次のとおり。
前期の後半は半導体等部品不足による自動車の大幅減産、原材料や輸送費高騰など厳しい局面を迎えたが、タップの世界シェアでは30%以上を獲得し、売り上げも史上最高となった。ドリルは大幅に売り上げが伸長し、エンドミルも国内トップとなる過去最高のシェアを獲得した。
決算概要は、売上高は1261億5600万円(前期比20・9%増)、営業利益は161億5百万円(同91・8%増)、経常利益は161億4100万円(同80・3%増)。親会社株主に帰属する当期純利益は109億8900万円(同94・9%増)。海外売上高比率は前期と比較して増加し、61・8%(前期は59・4%)となった。
22年度11月期は売上高1350億円、営業利益202億円を予想する。
一方、来期以降も一定期間は厳しさが続くと予想される中、これまで注力してきた自動車産業、航空機関連産業だけではなく、微細精密加工、エネルギー産業や医療など、成長が見込まれる市場で拡大し顧客開拓を推進する。24年11月期には連結営業利益3百億円を目標とする。
「Aブランド」商品のラインナップを拡充し、24年には商品比率30%をめざす。
総会終了後には株主懇談会として、大沢伸朗社長兼COOによる新中期経営計画「Beyond The Lⅰmit2024」について解説、新たにロゴマークを紹介。さらには、上席執行役員の彦坂光義オーエスジーコーティングサービス(OCS)社長が、今後さらなる拡大を予想するコーティング分野に関する現況、意気込みについて、概ね次のとおり語った。
OCSはオーエスジーのコーティング事業として分社化し、OSG製品のみならず他メーカー製品の受託加工も受け入れ、拡大中である。
装置の自社開発、最新コーティングの独自開発と40年以上のノウハウ、世界16ヶ国27拠点のグローバルでのサービス展開を強みとする。26年には20ヶ国・39拠点を計画する。
従来の工具向けだけでなく、IN-HOUSE再コーティング、PRIMUSブランドでのジョブコーティング、COAT-Xジャパン耐水コーティング事業などニュービジネスモデルをスタート、加速する。
このうちCOAT-XはCVD技術を用い、薄膜ながら最高クラスの防水性、防湿性を実現する。これまで当社にはなかった次世代コーティングだけに、新分野への拡大を図っていきたい。
これら取り組みにより、ドライコートで30年には売上高を3倍に、切削工具以外のコーティングを30%以上に、国内にさらに2拠点拡充を計画している。
2022年3月31日