ユーザー通信 240号 1面 「女性工学系」など産学連携に新潮流『DMG森精機』『奈良女子大学』包括協定締結
DMG森精機は3月1日、奈良女子大学との連携と協力に関する包括協定を締結、森雅彦社長と奈良女子大学の今岡春樹学長が出席し、調印式を行った。
DMG森精機はこれまでも、奈良県・三重県・兵庫県と地域振興や技術系教育の推進などで協働する包括協定を締結し、工業高校を含めた教育機関への最先端工作機械の貸与や、同社エンジニアによる加工ノウハウや最新技術に関する授業の実施など、学生が産業界の最先端機器で学習できる環境を提供してきた。
女子大学で日本初となる工学部開設
奈良女子大学は今年4月に、女子大学で日本初となる工学部を開設する。DMG森精機が同年夏に開設する奈良商品開発センタにも程近く、DMG森精機から講師の派遣やマシニングセンタ技術を活用したカリキュラムの考案、奈良商品開発センタでの実習などを行い、工学系の女性育成を支援していく。
さらに、奈良女子大学工学部 総合研究棟H棟のネーミングライツを取得し、2022年4月1日から2032年3月31日の10年間、「DMG MORI棟(工学系H棟)」と命名する契約を締結する。
OECD(経済協力開発機構)の調査結果によると、日本は2019年に大学など高等教育機関に入学した学生のうち、工学を選択した女性の割合は16%。加盟国平均は26%であり、調査対象国中、日本は最低水準となっているという。日本全体で人口が減少し、特に理系分野の人材が不足する中、女性の活躍できる場所が限られており、まずは教育環境を整えることが非常に重要であると考えられる。
今後、両者は相互に連携強化を図ることで、工学系人材の多様性と、日本の技術力の底上げに貢献していく。
2022年3月31日