Vanzetti Engineering/着脱式ザブマージド極低温ポンプを発表
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Vanzetti Engineeringが開催した国際イベントではLNG市場の最新動向が主要テーマとなり、新しいESK-IMO着脱式サブマージド極低温ポンプの実証試験が成功裏に実施された。
6月8日から9日にかけて、Vanzetti Engineeringは国際イベントを開催し、LNG市場の動向、とりわけ小規模LNGターミナル(Small-Scale LNG Terminals)、FSRU(浮体式貯蔵・再ガス化設備)、およびLNGバンカリングの発展に焦点を当てた。イベント期間中、同社は急速に成長するこれらの市場分野における技術的課題に対応するために開発したESK-IMO着脱式サブマージド極低温ポンプの試験に成功した。
イベントはイタリアのランゲ地方およびVanzetti Engineering本社で開催され、産業パートナー、顧客、Assogasliquidi、IGU、EPRINCをはじめとする国内外のLNG関連団体・財団、さらにClarksons Researchの海運市場アナリストが参加した。参加者は液化天然ガスの将来展望と、エネルギー転換を支える技術について意見を交わした。
「世界のLNG取引の拡大、小規模LNGターミナルの増加、船舶向けLNGバンカリングの拡大、さらにはバイオLNGの利用拡大まで、今回のイベントを通じて明らかになったメッセージは非常に明確だ。業界は大きな変革期を迎えており、より高効率で高信頼性、そして持続可能性を重視した技術が求められている。その中で、ESK-IMO着脱式ポンプのようなソリューションは、世界各地で次世代LNGインフラの構築を支える戦略的な役割を果たす」と、Vanzetti Engineeringの代表取締役(Sole Director)であるValeria Vanzetti Ghio氏は述べた。
世界のエネルギー市場におけるLNGの役割
イベントで行われた講演およびディスカッションでは、近年、世界のガス市場がエネルギー安全保障への対応を目的として大きく変化し、LNGが真の「移行期の燃料(Fuel of the Transition)」として確立されつつあることが紹介された。
特にシェールガス(shale gas)革命は世界市場の構造を大きく変え、米国を世界最大の天然ガス・石油生産国へと押し上げた。過去10年間で生産効率は飛躍的に向上し、LNG生産量は倍増した一方、稼働中の坑井数は1,500基から約100基へと減少した。現在約15,000万トン/年である米国のLNG輸出能力は、2031年までに年間2億5,000万~2億7,000万トンへ拡大すると見込まれている。こうした動きは世界的なエネルギー需要の急増と並行して進んでおり、人工知能(AI)が電力需要拡大の最大の牽引役となっている。データセンターの急速な増設はかつてない電力需要を生み出しており、テクノロジー企業は安定した専用電源の確保を進めていることから、天然ガス市場には新たなビジネス機会が生まれている。
その結果、天然ガスはエネルギー安全保障の確保、安定供給、そして低排出型エネルギーシステムへの移行を支える重要な役割を担っている。この流れの中で、Energy Transition(エネルギー転換)の概念は、「Gas(ガス)」の進化(Evolution of 「Gas」 with a capital G)というより広い概念へ発展しており、将来的にはバイオメタン、合成メタン、水素などの新しいエネルギー源が既存の天然ガスと共存しながら、世界的なエネルギー需要の増加と脱炭素化を支えていくと考えられている。この傾向は、世界のLNG取引量が2015年の約2億4,000万トンから2024年には4億4,000万トン超へ増加したことにも表れており、市場変動の影響を抑えるための長期的な計画の重要性が一層高まっている。
小規模LNGターミナルとFSRUの戦略的重要性
LNG供給量の増加はさまざまな用途への展開を後押ししており、特に小規模LNGターミナルは、大規模インフラが整備されていない港湾、産業地域、地方へ液化天然ガスを供給するうえで重要な役割を担っている。
イベントでは、柔軟性とレジリエンスに優れたエネルギーシステムへの需要を背景に、小規模ターミナルが世界各地で継続的に拡大していることが紹介された。国際ガス連盟(IGU)のデータによれば、現在世界で建設中の液化プラントの約40%が年間300万トン以下の小規模設備に分類される。小規模ターミナルは初期投資を抑えられるだけでなく、従来型ターミナルに比べて許認可取得や建設期間が大幅に短いことも成長要因となっている。特にインド、インドネシア、アフリカ諸国では、都市化と人口増加を背景にエネルギー需要が急増しており、高い成長が期待されている。
一方、FSRU(Floating Storage and Regasification Unit:浮体式貯蔵・再ガス化設備)は、特に欧州においてロシア産ガスへの依存低減に貢献し、エネルギー供給の柔軟性と安全保障を高める重要な役割を果たしている。また、イベントではLNG再ガス化時に発生する「コールドエネルギー(cold energy)」の有効利用にも注目が集まった。このエネルギーはドライアイス製造、空気分離、LNGターミナル近隣のデータセンター冷却など、さまざまな産業用途への活用が期待されている。
LNGバンカリング市場の拡大
LNGバンカリングは、今後10年間のLNG需要拡大を牽引する主要分野の一つと考えられている。代替燃料を採用する新造船の約60%がLNGを採用しており、IMO(国際海事機関)の排出規制や欧州の脱炭素政策を背景に、LNGが海運分野の脱炭素化における中心的燃料となっていることを示している。発表された分析によると、船舶燃料としてのLNGは今後も拡大を続ける見通しである。現在、LNG燃料船は1,500隻以上運航しており、2030年までに世界全体で3,500隻を超えると予測されている。また、LNGバンカリング専用船も2028年までに約80隻へ増加する見込みである。新たなLNGバンカリングガイドラインの導入と専用インフラの整備により、海運分野でのLNG利用はさらに加速すると期待されている。一方で、将来の世界的な炭素価格制度やホルムズ海峡を巡る地政学的緊張は、海運ルートや輸送コストに影響を及ぼす可能性がある。
大型輸送とバイオLNG
イタリアでは沿岸インフラとLNG貯蔵設備の整備が進んでおり、大型貨物輸送分野が小規模LNGターミナル展開の最大の推進力となっている。現在、約5,300台のLNGトラックと177カ所の充填ステーションが稼働し、市場全体のLNG消費量の約70%を占める主要な用途となっている。この分野の持続可能性を大きく変えるゲームチェンジャーがバイオLNGである。既存インフラとの完全な互換性を維持したまま貨物輸送の脱炭素化を実現できる有力なソリューションである。ただし、その普及には欧州全体でより調和の取れた規制制度が不可欠である。この点において、バイオLNG車両へのインセンティブ制度を導入しているドイツは重要な先行事例となっている。
ESK-IMO:Vanzetti Engineeringの技術的ソリューション
小規模LNGターミナル、FSRU、LNGバンカリング市場の拡大に伴い、高い信頼性、優れた効率性、保守の容易さを兼ね備えた技術への需要が高まっている。これらのニーズに対応するため、Vanzetti EngineeringはESK-IMOシリーズ着脱式サブマージド極低温ポンプを開発した。6月9日には、カヴァッレルレオーネ本社において参加者向けに新製品の実演(ライブデモンストレーション)を実施した。
ESK-IMOシリーズは、世界中の海洋用途で1,500台以上の導入実績を持つARTIKAサブマージド極低温ポンプの成熟した技術を基盤としており、市場で実証された高い信頼性と優れた性能を継承している。ESK-IMOポンプは、小規模LNGターミナルおよび船舶用カーゴ/ストリッピングポンプ(Cargo/StrippingPump)として設計されており、メインカーゴポンプの故障時や保守時にタンク内を排出する機能を備えている。ラインアップはESK-IMO 230、ESK-IMO 300、ESK-IMO 400の3機種で構成され、最大流量はそれぞれ85、300、550 m³/hとなっており、新たなLNG用途の主要な要求に対応する。ESK-IMOシリーズの大きな特長の一つは、この製品群専用に設計・開発された専用試験設備(テストベンチ)を活用した包括的な検証プロセスを確立し、一貫した認証済み性能を保証している点である。

2026年7月13日




