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ユーザー通信237号 8面 コラム 推進回送 年末ワイド篇 検証 「日本の非常電源市場」

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コラム 推進回送 年末ワイド篇

検証 「日本の非常電源市場」

デジタル化の拡大が続き「停電」がますます日常生活に大きな影響を与える

本紙11月号で一部既報のとおり、電源設備等の試験に使うロードバンクを専門とする世界的なトップメーカー(英・クレスチック社)により、市場トップレベルの負荷試験技術を日本全国に提供する包括的契約が締結された。

こうした体制強化の必要性は、2011年3月の東日本大震災において非常用発電設備が本来の想定どおりに稼働しなかったことが明るみになったからだ。

これを受け、一般社団法人非常電源保守連合会(EGMF)が設立され、公益社団法人全国ビルメンテナンス協会等との協力により関係各所へ啓蒙活動を実施した。

経験豊かなエンジニアや保守管理企業からなる同連合会の設立メンバーは、非常用の発電設備の保守および点検に関連した法律や規制、規格を十分な時間をかけて再調査した。

その調査の結果、日本市場における試験ニーズと利用可能な技術の間には大きな隔たりがあることが明らかになった。

こうした状況を背景にフューチャーソリューションズ(東京都港区六本木)が設立され、非常用発電設備の保守や最新のデータ駆動型ITソリューションの活用に多年にわたる経験をもつ運営チームによって、EGMFの理念実現に専門的に取り組むこととなった。

フューチャーソリューションズは2016年以来、業界のパートナーとともに、安全規格の策定と試験が決定的に重要であることの理解促進を図ってきた。

日本でもデジタル化の拡大が続き、社会活動全体が電力に頼る状況は強まる一方であり、そのため、気候変動による自然災害はもとより、インフラの老朽化や整備不全などによる停電が、ますます日常生活に大きな影響を与えるようになりつつある。

ロードバンク技術の世界的リーダーであるクレスチック社との連携から、フューチャーソリューションズは発電設備の試験に対し、可能な限り最高のソリューションと最適な実践方法を日本市場に自信をもって提供できることになった。

また、クレスチック社においても、フューチャーソリューションズとの関係を強化できたことは大きな成果であり、日本の非常用電源市場における安全性と信頼性の確保に加え、停電発生時にもその目的に適った役割が果たせるよう支援できるものと期 待している。

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