news- 三菱電機 炭酸ガス三次元レーザー加工機「CVシリーズ」を2機種発売
三菱電機
炭酸ガス三次元レーザー加工機「CVシリーズ」を2機種発売
CFRP製品の量産化に貢献、微細加工を実現
世界初、発振器と増幅器を同一筐体に統合
三菱電機(本社=東京都千代田区、清水則之産業メカトロニクス事業部長)は、自動車などに使用される軽量・高強度の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)用レーザー加工機として、CFRP用炭酸ガス三次元レーザー加工機『CVシリーズ』2機種(形名=ML1515CV-12XM、ML3122CV-12XM)の販売を開始し、10月に名古屋で開催されたメカトロテックジャパン 2021(MECT)に出展した。
近年、自動車業界では、CO2排出量削減や燃費向上、走行距離延長に向けた軽量化などが求められており、新しい材料として軽量かつ高強度なCFRPの需要が拡大している。
一方で、既存の技術でのCFRPの加工には加工装置のランニングコストや低い生産性、廃棄物処理などの課 題があり、新たな工法が求められていた。
そんな中、三菱電機はこれらのニーズに応えるため、長年蓄積してきたレーザー加工の技術・ノウハウを活かし、世界で初めて発振器と増幅器を同一筐体に統合した炭酸ガスレーザー発振器と独自の加工ヘッドを搭載したCFRP用炭酸ガス三次元レーザー加工機 CVシリーズを発売した。
これにより、既存の工法を大きく上回る高い生産性と加工品質を実現し、これまで難しかったCFRP製品の量産に貢献する。
また、廃棄物の低減など環境負荷に配慮した取り組みにより、 持続可能な社会の実現に貢献する。主な特長は次の通り。
【1】▽発振器と増幅器を同一筐体に統合したIntegrated-MOPA(主発振器出力増幅器構成)方式の三軸直交形(レーザー光軸、ガス流および放電方向の三軸がそれぞれ直交した構造)炭酸ガスレーザー発振器を世界で初めて搭載し、これまで困難だったCFRPの微細加工を実現
▽炭素繊維と樹脂の融解温度が異なるCFRPの切断に適した急峻なパルス波形と高出力を両立し、切削加工やウォータージェット加工などの既存の工法の約6倍となる世界最速クラスの加工速度(熱硬化性CFRP材板厚2㎜の切断において、切削加工の切断速度1m/minに対し、レーザー加工の切断速度6m/min)を実現し、生産性向上に貢献。
【2】▽高速のシングルパス加工や加工時に発生する高温の材料蒸気を効率的に除去できる加工ヘッドを搭載し、加工物への熱影響を低減することで、三次元形状の高品位加工を実現▽レーザーによる非接触加工により、既存の工法に比べて工具などの消耗や廃棄物の低減が可能となり、持続可能な社会の実現に貢献。
【3】▽制御装置に経路編集専用CAMを搭載し、加工経路の修正を加工機上で可能とすることで、 段取りなどの作業効率を向上
▽IoTを活用した同社リモートサービス「iQ Care Remote4U」(様々な情報を収集・蓄積し、工作機械を遠隔保守する支援機能)により、発振器の状態や稼働状況の遠隔監視・予防保全を可能とし、効率的な生産や保守作業を支援
▽加工機全周カバーを標準装備し、粉塵などによる作業環境への影響を低減。
2021年12月29日