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ユーザー通信226号 第2面:日本アイ・ティ・エフ 菅沼直敏氏(前常務)が引退へ―

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日本アイ・ティ・エフ 菅沼直敏氏(前常務)が引退へ―

 

日本アイ・ティ・エフ(本社=京都市南区、森口秀樹社長/以下、ITF)の菅沼直敏常任顧問(前常務)が、この12月23日を以て引退する。

ITFは1985(昭和60)年に住友電気工業(以下、住友電工)のコーティング技術と日新電機のイオンプラズマ技術・コーティング装置技術を融合し設立された、コーティング受託加工およびコーティング装置の製造販売企業。菅沼氏が住友電工からITFにやってきたのは2001年、営業部長として、47歳の時だった。

いわゆる工具畑であり海外畑(シンガポールと米国で計9年赴任)だった菅沼氏は、以来ITFでの19年間、住友電工時代に培った工具人脈の発揮は元より、活躍の象徴といえるのが、展示会出展やセミナー開催といった積極的な情報発信、露出を高める取り組みといった「流れ」を構築したことだろう。

菅沼氏はITFに来た当初、「おもしろいなと思ったのは、金型あり、部品あり、という分野の広がりだった。ポテンシャルがいっぱいある」と感じた一方で、「研究所みたいだな」との印象を抱いたという。

「確かにコーティング技術自体は、すでに素晴らしいものがあったが、お客様の製品(工具や金型、部品など)に対する愛情や取り扱いが、何かよくわかっていないと感じた。その上、コーティングはノウハウが重要なので、とにかく『見せない』。私はこういった風潮は良くないと思った」と述懐する。

そこで、自身で少し実力が付いたと思えた05年からは、展示会に出展し、工場見学の実施など積極的な露出を心掛けてきた。これは菅沼氏の信条である「品質とは、やはり、見ていただかないと変わらない。見ていただけてこその品質だと思う」によるところが大きい。

さらに、今年はコロナ禍により残念ながら開催に至らなかったが、毎年恒例となっている秋の「レディースセミナー」、年末の「コーティングセミナー」も年々参加者(商社や販売店、ユーザーら)も増え、今や恒例行事としてすっかり定着しており、同業他社にはない取り組みとなっている。

最後にあらためて、「そういった意味では、お客様方に本当に感謝」とした上で、「当社の品質も、お客様の目を通して、さらに伸ばせていければ良い」と後進たちへのメッセージを添えた。

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