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ユーザー通信221号 4面_02:DMG森精機 伊賀デジタルツインショールームが完成

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DMG森精機 伊賀デジタルツインショールームが完成

「伊賀イノベーションデー2020」の開催を見合わせたDMG森精機(本社=名古屋市中村区名駅)は7月3日、Weサイトにて同社グループ最大の生産拠点である三重・伊賀事業所内のショールーム「伊賀グローバルソリューションセンタ」をデジタルツインで再現した「デジタルツインショールーム」を日英版同時公開した。

【日本語版URL】

https://www.dmgmori.co.jp/sp/dtsr/


3DCGソフトウェアによるフルCG制作(4K画質)で、360度パノラマビューにより、まるで実際にショールームを歩いているようなリアルな没入感が体感できる。

デジタルツインショールーム内には機械だけでなく、自動化システムや加工ワーク、そして治具・工具・周辺装置などのDMQP製品(DMG森精機認定周辺機器)を展示し、製品情報やカタログ、展示に応じた特集ページ、関連動画を用意しており、合計200以上のコンテンツへ直接つながる。

今後は、機械の周囲を確認できる360度VIEW機能や周辺機器(DMQP)購入、デジタル新機種発表会などのリリースを予定しており、デジタル空間でしかできないユーザー体験を提供する。

ユーザーは、デジタルツインショールームを通して、24時間365日いつでもどこからでも気軽にDMG森精機に訪問でき、関心に沿った最適な製品・技術の紹介を受けることができる。

また、実空間のショールームでは、伊賀事業所と東京グローバルヘッドクォータの2拠点で、毎週金曜日開催の少人数制オープンハウス「DMG MORI テクノロジーフライデー」(※本紙6面参照)にて、最新技術セミナーや実演加工を通して、ユーザーの関心や課題にエンジニアが直接応える。

今後DMG森精機は、デジタルとリアルの両方でユーザーとつながり、最適なソリューションを提案していく。

伊賀グローバルソリューションセンタの展示概要は、次のとおり。

▽インフォメーションブース=同社最新情報の閲覧▽オンラインセミナー受付=最新のオンラインセミナー受付情報と申し込みが可能▽DMQP製品の展示=実物展示と同様の展示とオンラインストアへのリンク▽AM Lab & Fab=2020年開設予定の先行展示▽デジタルソリューションブース=my DMG MORI、デジタルアカデミー、CELOS Clubの案内▽5軸加工機、複合加工機、立形/横形マシニングセンタ、ターニングセンタ 計45機種デジタル展示。

◇   ◇   ◇

システムソリューションセンタモデル公開へ

また7月3日午後には、森雅彦社長がオンラインでの開設記者会見に臨み、「まずは45台の工作機械の完全なデジタルツインをつくり、かなり実物に近い展示をバーチャルでも可能にしている」と概観した。

そのうえで、「今後はバーチャル技術を使った男女のキャラクターがショールームをガイドする機能の付加や、機械と自動化、システム化の融合を体験できるシステムソリューションセンタのモデルも近日公開となる」と付け加えた。

また、質疑に応答する形で、制作費については、「どの範疇まで含むかにもよるが、ショールームの体裁自体に関しては2~3千万円、維持費は年間2千万円程度と考えている」と示唆した。

開設の目的については、「工作機械という名称自体は古くさく感じるが、工作機械やロボティクスそのものは、元々、デジタルに向いている。世の中に存在するものの中で最もデジタルに近く、親和性が良い。当社がこれまで行ってきた手の内の技術を、お客様用に公開している」と表現した。

さらに、「もうひとつは、これまで年間数十億円の費用を見本市に投じてきた。JIMTOF、IMTSやEMO等こういった費用の半分を原価低減に、あと半分をこのデジタル化に充て、予算は随分とれるので徹底していきたい」

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