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ユーザー通信212号_16面:八洲電機から電子ソリューション事業を買収 立花エレテック

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八洲電機から電子ソリューション事業を買収 立花エレテック

立花エレテック(本社=大阪市西区西本町、渡邊武雄社長)と八洲電機(本社=東京都港区新橋、芦田敏社長)は、9月10日に開催したそれぞれの取締役会において、八洲電機の子会社である八洲電子ソリューションズ(以下、八洲電子)の株式を、立花エレテックへ譲渡する基本合意書を締結した。

半導体市場は米中貿易摩擦などにより不透明感を増しており、今後は世界市場全体においてマイナス成長が予測され非常に厳しい状況下にあり、両社は収益力の向上と企業価値の増大に向け、具体的な検討に着手することとした。

立花エレテックは、電機・電子の技術商社として、FAシステム、半導体デバイス、施設、MS(マニュファクチャリング・サービス)および海外の5事業を有しており、このなかで主力事業の一つである半導体デバイス事業では、規格品からユーザー仕様までニーズに合わせた半導体や電子デバイス製品の販売、さらにマイコンやカスタムLSIの設計開発を行っている。

そのような状況下、八洲電子が立花エレテックグループの一員となることは、商材ラインナップの拡充による顧客満足度の向上や販売先の重なりも小さいことから、マーケットの拡大、またお互いの得意分野における技術補完によるソリューション提案力の強化が図れるなど、大きなシナジー効果が得られるものと判断した。

鉄鋼、石油業界を中心にプラント事業を展開する八洲電機は、事業の選択と集中によりエンジニアリング事業へ経営資源を投下しており、一方、八洲電子は2016年4月に分社化し、半導体事業に加えIoT関連需要を中心にソフト事業の拡大などのビジネスモデルを展開してきた。

そんななか、八洲電機は今後の事業運営において、グループ経営の安定化・効率化および事業・財務リスクの回避が可能である等を総合的に勘案した結果、同株式譲渡が八洲電機にとって最善であり、その経営資源をエンジニアリング事業に集中展開することで収益力のさらなる強化につながると判断した。

なお、同件株式譲渡が、立花エレテックおよび八洲電機の2019年度連結業績予想に与える影響は軽微であるとしている(株式譲渡契約締結日 2020年1月31日予定、株式譲渡日 同4月1日予定)。

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