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ユーザー通信204号 『OSG 4・0』を宣言 & 『NEO新城工場』を建設

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オーエスジー、2大プロジェクト始動 !

「最大のチャレンジは特殊品(少ロット)と量産品(大ロット)の両立」―石川社長

オーエスジーは1月15日、全国合同賀詞交歓会に先立ち、石川則男社長による「NEO新城(しんしろ)工場」および新プロジェクト「OSG 4・0」に関する記者発表を行った。

オーエスジーはリーマンショック後、海外展開を加速し、「Aブランド」に代表される新製品の開発にも注力、海外の生産拠点も強化してきたが、ここにきて、日本で生産する高付加価値製品の生産能力が不足してきており、「これからの10年を考えれば、国内の生産体制を刷新することを決断した」と石川社長。

それは、物理的なスペースと能力のみならず、OSG版インダストリー4・0といえる、プロジェクト名『OSG 4・0』のスタートであり、「スマートファクトリーといった生産体制だけではなく、受注売上げデータに生産データを積算化して、営業技術、そして生産まで一貫したものづくりの体制を構築したい」との考えを示した。

その旗手となる『NEO新城工場』は、現・新城工場敷地内(愛知県新城市有海)に16300㎡の新工場を、すでに先月1月から着工、今年11月の完成予定で建設が進んでおり、完成すればオーエスジー最大の工場、48500㎡の「NEO新城工場」が誕生する。
ハイライトとしては、同敷地内のオーエスジーコーティングサービス(OCS)の拡大、超硬ドリルの一貫生産(現在は大池工場でも生産)、超硬タップの生産を八名工場から移動、そしてスマートファクトリー化を挙げる。

またオーエスジーでは、国内生産体制刷新のための新プロジェクトとして、『OSG 4・0』のスタートを宣言し、「器としての新工場、自動化から省人化、無人稼働の設備、デジタルですべてをつなぐ、といった4つのパズルを構築し、2024年度に向けたビジョンとミッションである、72時間無人運転比率60%以上、稼動率85%以上、原価率10%低減といった、「相当な生産性アップ」に臨む。

石川社長は、「オーエスジーが80周年を超えて、これからも成長し続けるためには、特殊品(小ロット)と量産品(大ロット)の、必ずこの2つを両立させないといけない、これが最大のチャレンジ」と断言する。

「OSG4・0の目標は、小ロット・大ロットに関わらず、Q(品質)・C(コスト)・D(納期)を満足させることのできる生産体制、そして営業からアフターサービスまですべてをデジタルでつなぐ、といったプロジェクト」とまとめた。

またそのうえで、「4つのパズルすべてが成功しなければ、OSG4・0は成功しない」、そのためにも、「今までのOSGの社風は『走りながら考える』のような『やっているうちに、これがうまくいきそうだから、これをやればいいじゃないか』のようなところがあった。だが、それだけではもう難しい」など、自論および一般論を交え「社風」にも言及しながら、石川社長が、「OSGがOSGであり続けるために!」を説く場ともなった。

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