ユーザー通信203号抜粋 「盛大に「創業九十周年記念式典」を挙行 次の100年向けさらに産業界の発展に貢献(奥田哲司社長)」
三井精機工業(本社=埼玉県比企郡川島町八幡)は昨年12月13日、東京・日本橋室町のマンダリンオリエンタル東京にて、記念すべき祝賀の会、「創業九十周年記念式典・謝恩パーティー」を盛大に挙行、商社・取引先・OBら205名を招待した。
同社は、産業の基幹となるマザーマシンとしての工作機械と動力源としての空気圧縮機(コンプレッサ)を産業界に供給することを通じた社会への貢献を理念に、精密測定機器および精密工作機械の国産化を目的に設立し、1928(昭和3)年から現在まで、真摯にものづくりに向き合い、取り組み、昨年12月29日に創業90周年を迎えた。
会場のマンダリンオリエンタル東京ならではの、360度全ての壁を使ったプロジェクションマッピングの演出も華々しく、式典は奥田哲司社長(写真)によるあいさつで始まった。まず、昭和3年に当時の東京府荏原郡雑色町(現在の東京都大田区南六郷)で「津上製作所」としての創業にふれ、「ちなみに、ディズニーのミッキーマウスが同年の誕生」とのエピソードも盛り込んだ。
続けて、「海軍指定工場となった」や「軍需産業の一角を担った」など時代背景によるものも含め、「ブロックゲージの国産化を開始」「潜水艦用の高圧圧縮機の生産開始」「東洋精機に社名変更、ジグ中ぐり盤の製造開始」「戦後、オート3輪『オリエント号』の生産開始。国内販売のみならず東南アジアにも輸出」「日野自動車と提携、『日野ハスラー』を量産販売」「小型トラック『ブリスカ』の生産、中型トラック『レンジャー』の受託生産(平成12年終了)」等、昭和40年代前半までのハイライトを紹介。
さらに、「それ以降は、工作機械事業とコンプレッサ事業に経営資源を集中した」として、「工作機械では昭和45年に、当社初の高精度マシニングセンタ『Jidic(ジュディック)H5B』、同H6Bの生産を開始し、同時期にはコンプレッサでも、当社独自のZスクリュー型空気圧縮機の生産を開始した」と回顧を続けた。
そして平成15年には、豊田工機(現ジェイテクト)との包括的業務提携の締結。その後、工作機械では5軸立形MC『Vertexシリーズ』、コンプレッサではオイルフリーインバータコンプレッサ『Hi-14000シリーズ』などの開発、販売等を経て、「昨年は高精度ねじ研削盤『GSH200A』を開発し、JIMTOF2018で発表した」と現在につなげた。
これらを受けて奥田社長は、「振りかえれば、創業翌年の世界大恐慌からリーマンショックに至るまで、幾多の荒波があったが、それらを乗り越え90周年を迎えられたのは、本日ご臨席の方々のご支援の賜物」と感謝の念を述べた。
そして、「工作機械の鋳物の材料開発など、ゼロから取り組んだ先人の努力を忘れてはならない」と添え、「次の100年に向けて社員一同、一層の努力で皆様のご期待に応え、今まで以上に産業界の発展に貢献して参る所存」と力強く締め括った。
その後、来賓を代表し、三井住友銀行の宮田孝一会長、THKの寺町彰博社長、ファナックの稲葉善治会長 兼 CEO、山善の長尾雄次社長の4氏があいさつに立った。
「THK製品をつくるための主力として、三井精機様の機械が1500台稼働している」(寺町氏)。
「国内の同時5軸加工機の黎明期に、海外の先駆者を競争相手に厳しい戦いに挑まれた努力と研鑽に、深く敬意を表する」(稲葉氏)。
「山善の生産財ドメイン事業にとっては、なくてはならない最主力の仕入れ先メーカー様であり、総合発展を目指して参りたい」(長尾氏)。
等、祝辞の言葉が贈られ、三井物産マシンテックの篠原修社長が乾杯発声。JAZZシンガー・阿川泰子さんのライブを堪能しながら宴は進行し、三井精機工業の河邉誠造専務によるあいさつ、三本締めにより閉会した。
2019年1月16日