西で、東で、安田工業展示会が盛況 2年ぶり開催プライベートショーには430人超来場【ユーザー通信5月】

西で、東で、安田工業展示会が盛況
2年ぶり開催プライベートショーには430人超来場
高精度YASDAマシニングセンタならではのものづくりを内覧
安田拓人社長
「つくり込みで期待に応える」
中国ユーザーがセミナーで革新的事例を紹介
「デジタル知能化発展路線」を推進
安田工業の「YASDA Private Show 2025」が5月13~14日の2日間、本社工場(岡山県浅口郡里庄町)にて開催され、既存ユーザー、商社、新規導入検討顧客ら430人を超える来場者が訪れ、内覧した。
2年ぶりとなったプライベートショーでは、機械の剛性、安定性、加工性能を間近で確認できる「実演」。協賛メーカーとの「企画展示」。3機種を用いた静的精度および位置決め精度の「デモンストレーション」。職人の手作業の工程を実際に体感できる「体験コーナー」。これらを企画実施した。
実演では、プレシジョンセンタ『YBM 15T』は静的精度/円筒Y‐Z直角度/テーブル振れ測定デモを。CNCジグボーラー『YBM 1218V Ver.Ⅱ』はレーザー測定X軸ピッチ精度デモを。マイクロセンタ『YMC 430 Ver.Ⅲ』はレーザー測定位置決め精度デモをそれぞれ行うなど、プライベートショーならではの製品展示・工場見学が行われた。
こうした中、両日とも午前・午後の計4回にわたり「高精度なモノづくりの自働化」をテーマとするセミナーが、安田工業および中国のユーザー・Hongrita(ホングリタ)により開講された。
安田工業のセミナーでは冒頭、安田拓人社長があいさつに立ち、高性能加工に取り組む重要性の高まり、自動化の必要性、安定的に加工ができる機械への期待について説き「当社の製品はそういったものづくりのニーズを捉えて、つくり込みで期待に応えていきたい」旨述べた。
一方、ホングリタの幹部は開講前に「2012年からYASDA製MCを導入以降、会社の大きな発展に繋がっている。YASDA製MCには本当に感謝している」と謝意を示した。
セミナーでは、安田工業は「芯出しで段取りをシンプルに」「自働化に向けた芯出し」「機内での計測」をテーマとし、ホングリタは「革新が牽引、知能が未来をリードする」と題し、金型加工における自動化の最新事例を紹介した。このうち、後者の内容をピックアップしておく。
ホングリタは1988年に香港で、一人・1台のフライス盤から創業し、現在では2千人規模となった中国の精密金型およびプラスチック、液体シリコンゴム精密部品セットサプライヤーである。
高効率精密金型、可塑剤成形技術、デジタル自動化成形パッケージソリューション、新材料の開発、この4つを核心技術とし、情報化プラットフォームの支援のもとでスマート作業場プロジェクトの着手を推進し、今年は認証を取得した。来年はスマートクリーン工場を推進するという。
製造の面では、各設備にセンサーを取り付け、設備間の総合接続を実現し、サーバー統合デバイスの動作状態データを通じて、リアルタイムにまとめて分析し、各デバイスリソース間の最適なパラメーターと角度を探し出している。自動化ラインは、安田製機械4台と牧野製機械7台からなっており、一回の段取りで72時間の無人生産を実現し、生産性と品質の一貫性を高めることができる。
講演者は「AIツールの登場は金型業界に、非常に大きな創造空間を提供している。生成式設計は、前期開発のプロセスを加速させ、構造化データを自動的に検索することができ、知識を深めている」など終始「デジタル知能化発展路線」の推進を強調した。
なお安田工業は、その約1カ月前に開催された東京インターモールド(東京ビッグサイト)では、マイクロセンタ『YBM 9150V Ver.Ⅱ』を出展。レーザー測長体験を実演しX軸1ミクロンの追従性や、「変位の小さい機械」「位置決め・繰り返し精度」「と「静的精度」といった高精度プレート加工を可能にする3要素などを披露した。併せて、インターモールドにおいても、製造業DXを推進する提案を強調した。
2025年6月20日