ダイジェット工業 木村聡室長インタビュー「MA戦略の確立へ」
「展示会戦略の現時点」
記者にとって、「展示会戦略」といえば、「ダイジェット工業の木村さん」となる。
かつては、『展示台をジオラマにした男』と題し紙面化したこともあった。それは、平成25(2013)年度の旧・超硬工具協会賞における、作業・事務・生産技術等の改善賞を受賞した「展示工具運搬システムの構築」に係る独自インタビューだった。
あれから10年。この間、木村氏は海外赴任(ドイツ)を経て、そして世間的にはコロナ禍を挟んでの、展示会戦略に対する考えに変化はあったのだろうか? JIMTOF2024に臨むにあたり、ダイジェット工業営業部営業企画室の木村聡室長に、あらためて問うてみた。
「何をもってしても、まずは、入り口は『数集め』だと再認識中。百人を千人に、千人を1万人にしたい」と木村室長。その上で、展示会のメリットを「短期間に、多くの集客が可能で、交流と拡販が効率的に展開できる」と続ける。これまでもWeb集客などに取り組んできたが、従来の顧客に加え、ダイジェット工業について全く知らない、新しい市場開拓も含めれば、超基本的ながら「いかに多くの人を集めるか」といい換えられる。その先には、全社で強化、推進しているという、「MA(マーケティングオ―トメーション)」戦略ありき、に行き着く。
「当社のHP、Web関連を改善したことでPVが大幅にアップしたことを契機に『MA戦略は新規開拓の販売促進策』、『MAで新規を獲得する』との認識が、全社で共有化された」。そんな中、製品をより深く知ってもらうには、「心を動かすアクションが必要と考え、工具別に具体的な加工改善事例を、分かりやすく、親しみやすい『手描き風』(スケッチ)に仕立てたWebページを拡充したことが、好評を得た」と強調する。実際に、この「手描き風」は展示会ブースの壁面にも活用されている。ちなみに記者は、今年4月の大阪INTERMOLDで初見して以来、これを「壁画」と表現している。
加えて、ジャンル違いの展示会「DX総合EXPO」をきっかけに、「会場でのノベルティ配布の効力、魅力」をあらためて見直したと木村室長。それだけに、今回のJIMTOFでの「独創的な」ノベルティ展開に、否が応でも期待が高まる。
▲「心を動かすアクションが必要」と木村室長
2024年10月23日