ユーザー通信:日本ものづくり業界の発展に寄与できる情報媒体 UT-net.jp

サンドビック ウェビナー 「2023年春 新製品発表会」/『CoroMillⓇ Dura』など5製品中心に紹介

ユーザー通信 WEB版

早くもアルミ専用追加発売『CoroMillⓇ Dura』

サンドビック・コロマント(本社=名古屋市西区、山本雅広社長)では、毎年春と秋に様々な新製品やソリューションを導入しており、5月16日には午前・午後の2回にわたり「2023年春 新製品発表会を」オンラインで開催した。

今回のウェビナーでは、■超静音エンドミル『CoroMillⓇ Dura』■高生産旋削工具『CoroTurnⓇ Prime』■低抵抗高送りカッター『CoroMillⓇ MH20』■8コーナ肩削り/正面フライスカッター『CoroMillⓇ MF80』■バリレスアルミ合金加工用フライスカッター『M5シリーズ』といった今春に導入された製品を中心に、最先端工具の加工事例などを含め、技術/製品開発部の川向利和氏はじめ4名が紹介、解説にあたった。このうち、ソリッドツール推進部の伊東功二氏が担当したCoroMillⓇ Duraにフィーチャーすれば、概ね次の内容が説かれた。

  *      *      *

 サンドビックでは、最適化工具を「Oシリーズ」、汎用的に使える多機能な使用用途のある「Vシリーズ」、ユーザーの仕様に合わせたカスタマイズが可能な「Cシリーズ」と超硬ソリッド工具を大きく3分類しており、Cシリーズについてはテーラーメイドなどで既知のユーザーも多いと察する。超硬エンドミルはすでにCoroTurnⓇ Pluraシリーズがおなじみだが、このほどリリースされたCoroMillⓇ Duraは、非常に汎用的な工具で、今後、汎用的なVシリーズの位置づけとして新たなブランディングとした。仕様の特長としては、最大7枚刃の設計、先端角Rや、チャンファータイプはもちろん、ネック付きタイプなど様々なタイプが選べる。加工領域としては鋼、ステンレス、鋳物、非鉄、耐熱合金といったあらゆる被削材の荒~仕上げ加工が可能となる。

最大の特長が「WhisperKut™テクノロジー」の採用である。一般的な4枚刃であれば従来、不等ピッチは2つのリード、2つのピッチの組み合せがよく使われているが、CoroMillⓇ Duraでは全てのリード、全てのピッチが異なる完全な不等リード、不等ピッチを採用している。この設計により、非常に優れた安定性の耐ビビリ性と大変静かで効率的な加工が可能となる。加工特性として、従来であればランピング角はせいぜい10度くらいが最大かと思えるが、CoroMillⓇ Duraでは最大20度まで可能となっている。フル溝加工においては、従来では多少なりともの振動によって加工面がガタガタした面が得られたが、WhisperKut™テクノロジーを採用したCoroMillⓇ Duraにおいては、非常に滑らかでキレイな加工面が得られる。

 *      *      *

 数種類の加工動画を交え解説する中、Φ29の穴あけを想定したプランジ加工での実削(『CoroDrillⓇ 880』のΦ29との比較による)では、20度でのランピング角で加工するため切削時間も非常に短く、さらには底面がフラットであり側面も非常にキレイに仕上りを見せた。「このように底面がフラットの要求がある場合には、一つの工具で様々な穴あけができ、今後フラットドリルの代替にもなる加工が、CoroMillⓇ Duraでのソリューションとなる」と伊東氏はまとめ、工具選択の説明へと続いた。

なお、リリース間もないCoroMillⓇ Duraだが、この度、さらにアルミ専用の追加販売を開始した。3枚刃設計、ワイパー刃付きのため底面が非常にキレイに仕上がるタイプとなっており、もちろんWhisperKut™テクノロジーを採用している。

また、不等リード、不等ピッチを採用するCoroMillⓇ Duraの再研磨、再コーティングは非常に困難が予想されることから、同社リコンディショニングセンター瀬峰(宮城県栗原市)でのサービス活用を促した。

▲WhisperKut™テクノロジー解説のワンシーン(PC画面のスクリーンショット)

 

» «