三菱マテリアル 各地で「DIAEDGE特約店会」開催/今期売上高19年比120%めざす (小原加工事業カンパニープレジデント)
小物・高精度部品加工用工具を大幅増強、拡販に注力
三菱マテリアル(本社=東京都千代田区丸の内)は5月18~26日にかけ、国内流通特約店会である「2023年 DIAEDGE特約店会」を東京・福岡・名古屋・大阪の順で開催した。このうち26日の近畿・北陸ブロックは、帝国ホテル大阪を会場とするリアル+オンライン配信のハイブリッド形式で行い、会場参加が特約店59名・代理店24名、オンライン参加が特約店4名・代理店1名の計88名が参加した。
最初に、今期新たに就いた三菱マテリアル 執行役常務 小原和生加工事業カンパニープレジデントが自己紹介を含めた挨拶とともに、三菱マテリアル全社および超硬工具事業について経営方針や現状を説明した。加工事業カンパニーの中期経営戦略2030では「グローバルで顧客が認めるタングステン製品のリーディングカンパニー」を掲げ、超硬工具事業、タングステン事業、ソリューション事業の3本柱で成り立つ。建設工具・耐摩耗工具を含む超硬工具事業では、素材とコーティング技術の強みを活かした高効率製品を安定的に提供し、30年度にグローバルシェア10%、品質とコスト世界№1を目標とする中、「難削材・難加工領域への製品開発力」「生産、環境効率向上のための高効率工具の提供」「ソリューション対応力の強化」「DX活用によるスマートファクトリー化の推進」「S&OP(販売・操業計画)導入によるサプライチェーンの強靭化」を重点施策として挙げる。タングステ事業においては、超硬工具向けに加え、二次電池向け等の事業拡大と環境対応力の強化を挙げ、ソリューション事業ではテクニカルセンター(大宮・岐阜)活用によるCAE解析や技術講習会など、ものづくり現場へのコト売りの事業化を戦略とする。
超硬事業売上高推移と23年度計画においては、「コロナ禍前の19年実績を100とするベースで、今年度(23年度)は120を目指す。22年度は19年に対し12%のプラスであったことから、今期は約10%伸ばしていきたい」とした上で、「昨年の秋口からの国内市況の軟調を考えれば、これまでのデータ解析によれば11ヶ月以上市場が下降を続けることはないと見込んでおり、今年の夏以降取り戻していきたい」との考えを示した。また、受注残の状況については、インサートは「一昨年から増加していたがコロナ禍以前の水準へ」と明らかにした。注力関連分野としてEV(電気・水素)、ロボット、半導体製造装置等をピックアップし、中でも、振動切削対応工具シリーズなど小物精密部品の加工に供せた工具について、「当社はソリッドの小径工具に強みがあるが、インサート工具のラインナップについても大幅に増強していく」と述べた。その他、「製造リードタイム短縮と省人化の推進、コスト競争力の強化」「顧客のあらゆる行動シーンでデジタル化された接点と社内機能のデジタル化を強化」といったDX施策の言及や、ミーリングカッタの展開拡大として耐欠損性を向上させ今年4月に追加したミーリング加工用コーテッド超硬材種『MV1030』を推奨商品として熱く語った。
▲小原カンパニープレジデントあいさつ
総出で新製品拡販に邁進(金子営業本部長)
続いて、22年度の年間表彰では、DIAEDGEチャレンジスピリット賞など4賞が用意され、受賞者が表彰された。プレゼンターを務めた金子善昭営業本部長は先立っての挨拶で、前段のプレゼンでの小原氏について、「当社歴代トップの中では今までに全くいないタイプだと思うが、いかがでしょう」と会場に語りかけ、「このようにトップ自らが、我々が自信を持って売り出したMV1030を熱く語る姿、この熱意を皆さまにも感じていただけたのではないか。当社は小原以下全員総出で、徹底的にこの新製品の拡販に邁進していきたい」と引き続きの協力、支援を呼びかけた。
▲金子営業本部長あいさつ
最後に、営業本部国内営業部の木田喜久部長が国内営業部方針を説明。DIAEDGE製品を適用したカーボンニュートラルへの提案や、あらためて小物・精密部品の分野への注力を強調し、ポジインサートシリーズ、ステッキィシリーズ、ボーリングホルダの型番ラインナップ、受注開始時期を紹介したほか、サマーキャンペーンの内容等についてふれた。
2023年6月23日