ジーネット/フルサト・マルカホールディングス 古里社長 セキュリティSEGの「物販からソリューション提供へ、業態変化に注力」強調
【決算報告】国内は建設資材SEGが牽引、予想上回る増収増益
ジーネット(本社=大阪市中央区南新町)は4月3日、ジーネットおよびフルサトグループの決算関連とフルサト・マルカホールディングスの現状について、古里龍平社長と大谷秀典常務(営業本部長)がWEB会議にて報告に臨んだ。
フルサト・マルカホールディングスの連結業績は、売上高が1624億1600万円(前年同期比113・4%)、営業利益が58億9500万円(同185・5%)、親会社株主に帰属する当期純利益が45億3100万円(同147・9%)。このうち、フルサトグループの売上高は1073億7400万円(増減率14・1%増)、営業利益は39億2200万円(同62・0%増)。マルカグループの売上高は555億3900万円(同13・1%増)、営業利益は19億2百万円(同151・3%増)となった。古里龍平社長は増収増益の要因について、「国内は建設資材セグメントが牽引した。売上高は機械・工具と建設資材の値上げの効果もあり予想をやや上回った。営業利益は予想よりも原価率が低減したことにより予想を上回り、純利益は円安による為替差益などにより想定を上回った」と概観した。
セグメント毎の業績では、「機械・工具セグメント」は、国内の自動車業界で新型車向けの設備投資が増えつつあり、半導体業界および工作機械業界は堅調に推移し、海外は営業活動のエリア拡大や北米の需要が底固く、為替影響もあり好調だった結果、売上高は1070億7700万円、営業利益は32億3500万円。このうち海外売上高はコロナ禍の落ち込みから回復基調にあり、第4四半期の中国において自動車業界向け設備投資が増加したことから、前年同期比35・6%増の299億1300万円で、海外売上高比率は18・4%となった。「建築資材セグメント」は、売上高437億8700万円、営業利益26億600万円。「建設機械セグメント」は売上高88億3900万円、営業利益1億4200万円。また「セキュリティセグメント」については、サーマルカメラの需要が一巡し、アルコール検知器使用の義務化が無期限延期等により、売上高27億1100万円、営業損失5700万円の結果となった。「販売が伸びず、苦戦している。新規プロジェクトは新たな参入もあり低調」とした上で、「物販からソリューション提供へ、業態変化に注力している」現状を古里社長は強調した。
今期減益予想も売上高増1700億円見込む
なお、今期(2023年12月期)の業績見通しについては、売上高1700億円(増減率4・7%増)、営業利益57億円(同3・3%減)、経常利益64億7千万円(同8・3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益43億8千万円(同3・3%減)と増収減益を予想する。古里社長は、「上期は機械・工具セグメントで積み上がった工作機械や部品の受注残を背景として、堅調な売上高を見込んでいる。下期は自動車業界をはじめとした大手メーカーの設備投資縮小や中小企業の体力低下が懸念され、通期で売上高は増加予想、営業利益は減少予想と保守的に見ている。減益にならないよう、営業活動を加速していく」と述べた。
HANSロボット販売開始など営業報告
続けて、2026年度までの中期経営計画「UNISOL」の基本戦略に言及したあと、大谷常務からは23年上期営業戦略として、NCプログラム自動生成ソフトウェア『ARUMCODE1』(アルム社)の月額利用クラウドサービスが7月新登場にあたっての予約販売受付中や、コストパフォーマンスに優れた軽量で使い易い中国製「HANS協働ロボット」の販売を開始する旨等が説明された。
▲「機械工具SEGはこの2年間順調に回復」ともふれた古里社長(※PC画面のスクリーンショット)
2023年5月24日