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サンドビックの現時点  「コロマント会総会」今年もオンライン開催【ユーザー通信 251号 6面】

ユーザー通信 WEB版

サンドビック
サンドビックの現時点
「コロマント会総会」今年もオンライン開催
DXプロジェクトによる「バリューチェーンへの新しい提案スタイル」推進


コロマントカンパニー(本社=名古屋市西区則武新町)は、主力販売店で構成するコロマント会の2023年総会を、デジタル化が浸透した同社としては今回もオンラインで開催し、3月15~17日の3日間動画配信した。
この中で、サンドビック コロマントカンパニー 山本雅弘社長、同西日本営業統括の髙宮真一副社長、東日本営業統括の武井篤史副社長が述べたメーカー報告、主要営業戦略をピックアップすれば、概ね次の内容となる。

サンドビックグループの戦略は大きく6つのカテゴリーで構成し、このうち「成長へのシフト」と「持続可能へのシフト」についてアップデートする。
成長へのシフトについては、昨年既報のとおり「既存事業のさらなる拡大」と「企業買収による成長」の2本柱を掲げる。既存事業においては、戦略的に重要な産業セグメントや用途向けにソリッド工具、自動車用アルミ加工製品、デジタル製品などの強化製品や旋削分野の新製品を投入し続け、集中的にマーケティングや営業活動を実行し、マーケットシェアを獲得しながら引き続き超硬工具メーカーとして成長していく。

加えて昨年は、精密工具メーカーのスフィンクス(スイス)と自動車向けアルミ加工に強いプレジス(スペイン)の買収を完了した。今後も戦略的に注力する分野については積極的M&A活動を行い、さらに成長を加速していく。

持続可能へのシフトは、生産性の向上や加工時間短縮によるCO2削減などを達成する付加価値の高い製品を提供し、顧客やビジネスパートナーらの持続可能なビジネスや活動をサポートしており、今後もサステナビリティに貢献する製品とサービスを開発、導入していく。

昨年を振り返れば、産業別では航空機、一般機械、工作機械分野が牽引し、2021年対比で大きく業績が伸長した。注力分野である自動車産業向けアルミ合金加工用製品やデジタル製品の『Silent Tools™ プラス』の引き合いが増えてきた。今後はグループの傘下にあるCG TechやMaster camとの協業によるデジタルソリューションの強化に加え、ソリッド工具分野も引き続き注力していく。

グローバルのM&A戦略ともリンクさせ拡販
(髙宮・武井両副社長)

 

「成長戦略」では、顧客のニーズに合わせ、則った戦略的活動をチームで一体となり(営業サポート技術専門部隊など)、データ分析を駆使して実施、強化する。同時にCAMアプローチ強化などグローバルのM&A戦略ともリンクさせ、より付加価値を高めながら新規オポチュニティエリアであるソリッド、EV化に伴う自動車アルミ部品、デジタルエリア、新製品での拡販にフォーカスする。

「デジタル戦略」では、デジタルマーケティングを強化し、市場ブランド力の向上とそれに伴う新規顧客拡大を販売店とともに目指す。また、DXプロジェクトによるバリューチェーンへの新しい提案スタイルを推進する。高生産性を誇るコロマント製品と切削精度を最大限に高めるツールパスが提案できるMaster cam、干渉防止や切削条件の最適化をシミュレーションできるCGTech、この3社が揃ってはじめて実現できる、他社が真似できない生産性を最大限に高めるトータルソリューションを提案できるようになった。

この他にも、ソリッドツール推進部 伊東功二部長が23年度の注力製品の紹介を、機械搭載推進部 髙山岳氏は「トータルソリューション提案」を講演した。

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