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三菱電機 名古屋製作所/FA機器分野としてプライベートフェアを初開催

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今後定期開催を予定、ユーザーとの関係強化めざす

「ものづくりのライフサイクル全体を革新することが重要」(都築所長)

三菱電機は3月1日、名古屋製作所FAコミュニケーションセンター(名古屋市東区)にて、FA機器事業の新製品を同社取引先に紹介する「FAプライベートフェア2023」を初開催し、製造業などFA分野のユーザーらが多数来場した。

「デジタライゼーションによる、ものづくりの今と未来」をテーマに、三菱電機とe-F@ctory(FA-IT統合ソリューション)アライアンスパートナーと共に提供する先進のものづくりDXソリューションを体感、理解するための特別なセミナー、製品・ソリューション展示、ソフトウエア相談会、工場見学、LIVE配信を実施。デジタルマニュファクチャリングを実現する『MELSOFT Gemini』や『MELSOFT MaiLab』など最新のソフトウエア製品、製造業向けソリューションを披露した。

三菱電機名古屋製作所は、先進のFA機器やシステムを開発・製造し、世界のものづくりへ貢献するFAシステム事業の中核製作所で、会場となったのはFAコミュニケーションセンターの1階と4階。常設展示の1階は昨年9月に一部を改装し、コントローラ製品・駆動制御製品・産業用ロボット・配電用制御製品など、生産現場で実際に稼働している技術を身近に体感できる、工場自動化技術が一堂に会したショールーム。中でも、新設されたマスカスタマイゼーションに対応したワイヤレスマウス製造ラインでの生産デモンストレーション(ユーザーの好みに応じたマウスのカスタマイズと名入れを行う)が注目ポイントとなっている。

「IoT化は情報収集に手間取る、特に工作機械が難しい」

4階は今回のプライベートフェア限定展示となった。立花エレテックのクラウド版設備稼働監視システムなどアライアンスパートナー12社による製造現場とデジタルの好循環によるエンジニアリングチェーン・サプライチェーンを進化させるソリューションが展示され(協賛参加パートナーは15社)、IoT化について「情報収集にいちばん手間取る。特に工作機械に関してが難しい」といった声などが聞かれた。

同フェア初開催にあたっては、一部、報道関係向けに説明会を実施。三菱電機FAシステム事業本部 都築貴之名古屋製作所長はあいさつとともに、概ね次の内容に言及した。

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 FAシステム事業の2022年度は、EV・リチウムイオンバッテリーなどの脱炭素関連分野を中心に需要が堅調に推移し、過去最高の連結売上高8700億円を見込んでいる。その一方でシーケンサやサーボなど従来のFA製品と併せて、AI・5G・クラウドといった先端デジタル技術でより製造現場の課題解決に貢献し、さらなる事業開発を目指していく。

尾張旭地区に新生産拠点設立(25年4月稼働予定)

名古屋製作所のトピックスとしては、25年4月稼働予定の尾張旭地区の新生産拠点設立などが挙げられ、さらなる生産体制強化を計画している。脱炭素や労働者不足など複雑化する社会課題を解決すべく、ものづくりデータを活用した技術やソリューションを提供し、ユーザーの「ものづくりのライフサイクル全体を革新」することが重要と考える。具体的には、製品開発プロセスをデジタル上で検証=「製品ライフサイクルの短期化」→生産プロセスをデジタル上で検証=「安定稼働までの短期化・コスト最適化」→保全業務をデジタル上で検証=「止まらない工場の保全コスト・人員の最適化」→新旧ライン/設備をデジタル上で検証=「リニューアル投資効果の最大化・時期の最適化」といったサイクルがデジタルマニュファクチャリングの将来像となる。そんな中、ユーザーそれぞれの環境・現場課題の解決につなげる同社のソリューションが体感できる機会を増やすために、ユーザーとの関係強化を目指し、今回、プライベートフェアをFA機器分野として初開催した。今後は毎年、全国各地で定期開催を予定している。

 

▲都築名古屋製作所長          ▲アライアンスパートナー12社によるDXソリューション展示

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