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ユーザー通信 247号 2面 : 立花エレテック 半期決算発表 全項目で過去最高数値に 通期予想を上方修正

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半導体デバイス事業の営業利益は145%増、急激な円安も業績伸長を後押し

電機・電子技術商社のリーディングカンパニー、立花エレテック(本社=大阪市西区)は11月10日、2023年3月期第2四半期(2022年4月1日~9月30日)の連結業績を発表した。売上高1100億3800万円(前年同期比20・8%増)、営業利益48億100万円(同76・2%増)、経常利益58億200万円(同88・3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益41億3200万円(同90・9%増)と、全て前年対比を上回り、上期においては全項目で過去最高の数値となった。

セグメント別では、FAシステム事業部の売上高は538億9700万円(前年同期比10・1%増)、営業利益は26億5100万円(同44・4%増)。半導体デバイス事業の売上高は445億5400万円(同36・3%増)、営業利益は21億4300万円(同145・0%増)。施設事業の売上高は87億7600万円(同21・5%増)、営業利益は3100万円(同35・9%増)。

このうち、半導体デバイス事業では、上海ロックダウンで部材調達が滞り、一部製品の確保に奔走する状況が続いたが、半導体需要は依然高水準に推移しており、マイコン、ロジックICおよびパワーモジュールなどが国内子会社を含めて大幅に伸長するとともに、海外においても日系企業向けを中心に大きく伸びた。加えて、急激な円安が業績の伸長を後押しした。また、FAシステム事業の産業デバイスコンポーネント分野では、タッチパネルモニターが伸長するとともに子会社で好調業種向けに接続機器が大幅に増加。施設事業では、継続する部材需給逼迫の影響により、空調機器関連は案件が少なく伸び悩んだ一方、住設機器、データセンターや大型商業施設向けに受配電設備が大きく伸長した。

これらを踏まえ、通期連結業績については、今年5月に公表した予想を上方修正し、売上高2150億円(5月公表時1950億円)、営業利益80億円(同67億5千万円)、経常利益88億円(同73億5千万円)、当期純利益62億円(同50億円)と報告した。

就任後初の決算発表に臨んだ布山尚伸社長は、「当社主要3事業の中で、やはり半導体デバイス事業の躍進、営業利益の伸びは150%近くと際立った。ウィズコロナの経済活動が常態化しつつあり、ウクライナ情勢の長期化、資源価格高騰の追い打ちなど、先行きの不透明感が続いているが、モノ不足の状況において、部材の確保、お客様との密な需要調査、さまざまな形での先行手配といったニーズに対し、きっちりとアジャストできた」と好業績の牽引要素にふれた。さらに、足元(第3四半期以降)の状況について、「滑り出しは順調、11月までは計画通りに推移するだろうと見ている」とした上で、「半導体デバイス事業の勢いがどこまで続くか。中国でいう旧正月、日本ではクリスマス商戦あたりの計画見直しいかんによっては、リバウンドが多少は出てくる覚悟はしている」との見方を示した。

▲顧客ニーズ(部材確保、先行手配など)に「アジャストできた」と布山社長(東証 大阪取引所にて)

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