マグネスケール ワイヤレスデジタルゲージ『μMATE+』を商品化
JIMTOF出展、作業効率を向上させるマニュアル測定器でデジタル計測を加速
DMG MORIグループのマグネスケール(本社=東京都江東区、藤森徹社長)は、マニュアル計測器 『μMATE+』(ミューメイト・プラス)を商品化した。
組立や加工、検査の現場では「てこ式」を含む多数のダイヤルゲージが使用されているが、未だその多くがアナログ式であり、アナログ針の指示値を目視で読み取り記録したり、公差内の合否判定をしたりといった用途で使用されている。一方で、 省力化や効率を求めデジタル化の工程変革も多くの現場で検討されているが、ダイヤルゲージのデジタル化には、システム全体の設計・構築も必要になり高いハードルとなっている。
そんな中、マグネスケールは現場で使用されている問題点に耳を傾け、高精度で測定しやすく、かつデジタル化が容易なワイヤレスデジタルゲージを商品化した。主な特長は次の通り。①アナログゲージと変わらぬ軽量・コンパクト性(レバー部約75g)②見やすく操作しやすい2・7インチカラー液晶タッチパネル搭載③ワイヤレスによるスマートフォンでの操作、データ保管・処理にも対応④高速・高精度測定を可能にする2つの新技術(特許出願)。
今回発表の製品は2種類で、デジタルインジケータゲージとデジタルレバーゲージの商品構成となっている。従来のダイヤルゲージやてこ式ゲージの使い方を踏襲しつつ、デジタルでありながらアナログの長所も取り入れた製品となっており、本体はBluetooth通信にてワイヤレスでタブレットやスマートホンに測定値を転送できる。 本体のコントロールやデータ取得が可能なⅰOSと Android用の無償アプリを準備しており、本体からはUSBや Micro SDカードでのデータ受け渡しも可能。
高精度、高分解能を実現するにあたり同社は、次の2つの新技術を開発した(特許出願)。①ALリンク機構(Arc-to-Linear機構)= 多くのダイヤルゲージには直動や、てこの動きをギアの回転に変えてダイヤル指示針を動かしているが、ギアを使うことにより、バックラッシュが発生し、誤差が生じてしまう。 同社では、ゲージ先端部の円弧運動を直線運動へと高精度に変換する、Arc-to-Linear機構を開発することで、バックラッシュのない位置検出を実現した。この機構による繰り返し精度は 0・5μm以下②IDセンサ(Inductance to Digital conversion sensor)=移動量の検出には新開発のIDセンサを採用。小型かつシンプルな構造で移動量に応じたインダ クタンスの変化をアブソリュート値として検出する。
アナログ針の動き再現など多彩な表示モード
また、視認性の高い 2・7インチ液晶表示パネルを採用し、測定物の状況にマッチした5つの表示モードを用意。アナログの針の動きを再現した表示モードでは、慣れ親しんだ従来のダイヤルゲージやてこ式ゲージでの「振れ幅」の感覚を大事にしている。 もちろんその場合でもデジタル値はキープし保存しているので、数値としての記録・保存も可能。 その他、 バーメータやリアルタイムチャート、円測定モードなど測定目的に最も適した表示を選択できる。
なお、μMATE+は、11月8日から 11月13日に東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2022」に出展。2023年1月より受注を開始、4月より出荷を開始する。 初年度の売り上げ目標は年間5千台、数年後には年間5万台を見込んでいる。価格は1セット当たり10万円前後で計画している。
▲デジタルインジケータゲージ「µMATE+」。アナログ表示(針モード)
2022年10月31日