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ユーザー通信240号 3面 DMG森精機の現時点(2021年12月期連結決算発表)

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22年12月期業績予想 営業利益は1979年上場以来のピーク更新へ

工程集約・自動化対応、脱炭素投資が加速

 

DMG森精機(本社=名古屋市中村区)は2月10日、2021年12月期(1月1日~12月31日)連結決算(国際会計基準)の発表を行った。

連結受注は4560億円(前年比63%増)、売上収益は3960億円(同21%増)、営業利益は231億円(同2・2倍)、営業利益率は5・8%(前年は3・3%)、税引前利益は196億円(前年比3・8倍)、親会社の所有者に帰属する当期利益は135億円(同7・7倍)。

国内外で工作機械需要が回復、脱炭素や半導体など広範囲の分野で設備投資が活発化し、昨年度は四半期ごとに業績の上方修正を繰り返し、年度売上高は従来計画を上回り、年度営業利益、当期利益は従来計画を達成、足元の受注も好調が続く。

今年度(22年12月期)の重点施策として、「分社化による収益管理の徹底」を軸に、「工程集約→自動化→デジタル化の促進」、「受注の地域分散、業種分散、顧客の規模分散+工程集約化、自動化で収益の安定化を図る」、「伊賀事業所=世界最大の工作機械組立工場、奈良事業所=世界最大の工作機械システムソリューション工場へ再編」、「奈良商品開発センタでの先端開発、人材育成強化」、「中期経営計画策定」を挙げる。

その上で業績見通しは、連結受注4800億円(5・3%増)、売上収益4300億円(8・6%増)、営業利益400億円(73・4%増)、税引前利益365億円(86・1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益250億円(85・7%増)とし、営業利益は1979年上場以来のピーク更新、当期利益は2015年のAG(DMG MORI SEIKI AKTIENGESELLSCHAFT)統合時の特殊要因を除きピーク更新を予想する。

なお、同社ホームページ上にてオンデマンド配信する決算説明会で、21年度について森雅彦社長は概ね次の旨トピックとし、言及する。

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 連結受注の4560億円は従来計画4500億円を上回り、計画以上の強い回復を感じている。機械本体の受注残高は1640億円(昨年12月末)へ増加。960億円(20年末)からのスタートなので十分な受注残をもって22年度をスタートできている。今後もできるだけ10~12ヶ月以上といった長納期の案件をしっかりと受注し、必ず訪れる景気の下降局面でのブリッジとして業績変動を抑制していきたい。

年度フリーキャッシュフローが304億円へと大幅に改善した(20年度は52億円の赤字)。これは受注増における前受金の寄与が大きい。前受金制は日本国内でも随分と浸透してきている。中国、米国等海外においては全て前受金にて受注をカウントしており、長納期の案件が増加する中、キャンセル防止等と同時にキャッシュフロー改善に役立っている。

欧州ベースの脱炭素経営推進の取り組みが非常にスムーズに進められていると思う。気候変動対応は喫緊の課題であり、しっかりと取り組まなければならない。ドイツと日本の統合会社である当社は、業界の中では最も早く対応したいと考え、欧州の規制にしたがって改善、改良していきたい。

これらをもって、借入金の返済も同時に行いつつ、期末配当を30円へ増額し(従来計画20円)、年間配当計画は40円とする。また、AG株を20年4月に追加取得したため金融費用が減少している。実効税率の適正化を各子会社等で行ったことにより当期利益の大幅増に結び付いている。今後も確実に最終利益を計上できるように対応していく。

物流費では、日本から欧州向けコンテナ費用が3倍以上となり、アメリカの船便は西海岸沖に滞留し減便等の影響を受けているが、この傾向は今後も続くと思われる。

また、「見本市等の無駄を省く」「値引き率の改善」「リーン生産を行う」「サプライヤー様の適切な管理」「売り掛け債権の回収」「検収を俊敏にあげる」等により、フリーキャッシュフローは大幅黒字となった。

▲森社長による決算説明会のオンデマンド配信(PC画面のスクリーンショット)

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