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ユーザー通信235号2面 MECT 2021 岡本工作機械製作所 渡邊常務インタビュー 「測定」で研削革命 狙いは「オペレーター目線」で生産現場を変えていくこと

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MECT 2021 岡本工作機械製作所

「測定」で研削革命

狙いは「オペレーター目線」で生産現場を変えていくこと

岡本工作機械製作所(本社=群馬県安中市、石井常路社長)は、10月20~23日にポートメッセなごやで開催される「メカトロテックジャパン(MECT) 2021」に、平面研削盤3機、複合研削盤1機の計4機種を、次のとおり出展する。

▽NC精密平面研削盤『PSG64CA‐ⅰQ』▽CNC高精度成形研削盤『HPG500NCS』▽CNC超精密成形研削盤『UPZ63Li』▽CNC精密複合円筒研削盤『UGM360NC』。

テーマはもちろん、「研削革命」。同社が2015年から掲げるこのスローガンにおいて、今回は「機上測定」をフィーチャーし、全ての機械で測定要素を展示する。

久々の大規模リアル展示会への出展に期待を寄せる渡邊哲行常務(営業本部長)は、「ミクロン単位で切込みを行う研削工程は、切削の工程に比べると、非常に時間を要する。それを高能率・高精度で加工しましょう、そういった革命を起こそうと取り組んでいる」と、研削革命についてあらためて説く。

その上で、「加工自体は自動で出来るものの、といしを減らしながらの研削加工では、正確に目指した寸法に入っているかという測定が、全て機上で出来る仕様が非常に使いやすい機械だといえる」と続ける。

そんな「ユーザー目線」を踏まえ、PSG64CA‐ⅰQ、HPG500NCSは、「簡単に『自動でも手動でも』測定できる」仕様での初出品となる。

「1個、2個で次々にサイズが変化するなど単品加工が多い研削盤では、その都度に測定プログラムの作成が面倒になる。そんなオペレーター目線での使い方として、加工ワークに合わせた手動測定ができるモードを作成した。おそらく業界初、単品加工での手動で測定しながら補正するなど、新しい使い方と使いやすさを見せたい」。

こういった方向性は以前から注力していたが、測定機器メーカーとのタイアップによるタッチプローブの共同製作がこの機会となった。ポイントは搭載する測定装置の適正価格、コストパフォーマンスだ。

「従来の測定装置はどうしても高価なイメージがあるが、我々の狙いはオペレーター目線で変えていくこと。高精度測定装置ではあるが、コストパフォーマンスに優れていることで、当社の全販売機種に測定装置が搭載でき、新たな市場を開拓できる可能性がある。

そういったことを意識した設計、販売に臨んでいきたい」と渡邊常務。「最近、大手ユーザー様では、測定装置の搭載により生産工程の自動化を行うことで稟議が通りやすいとも聞く」とのエピソードも添えた。

加えて、同社はこれまで、業界に先駆けて研削盤へのCCDカメラやタッチプローブタイプの機上測定装置の導入に尽力してきているが、標準搭載にあたっては、「やはりコスト面のイメージもあり、実際に搭載しているのは全販売機種の5~10%程度」という中、コストパフォーマンスを意識することによって、測定装置搭載率の向上を見込む。その試金石の場としたいのが、今回のMECTといえる。

加えて、従来研削された加工ワークは三次元測定機や工具顕微鏡へと移す測定、機上での測定管理で実績を積んできていることから、今後はその進化形にも取り組む必要性も示唆する。

「加工ワークの特性によって、CCDカメラ向きとタッチプローブ向きがあり、そういう選択も提案している。今回のMECTではタッチプローブの中でも使いやすさを追求し、自動/手動のモード切り替えをアピールしていきたい」。

また、超精密マシンのUPZ63Liは、作業面が600×300㎜のリニアモータ駆動で、研削盤では珍しい3軸や5軸の加工が出来るようになってきている。本来、研削盤には専用のCAMはないが、同時3軸・同時5軸対応のCAMを新たに開発した」という。今回のブースでは異形状ワークでのデモ加工を予定する。

さらには、菱形・小判型・6角形といった異形状ポリゴン形状のパンチ加工やねじ切りサイクルなどを実現するUGM360NCは、3つのといし(外周・端面・内面用)を搭載し、ワンチャッキングで中・外・端面を研削する。

「元々複合研削盤は欧州の発祥。内面と円筒は2台の機械で段取り替えするのが日本の削り方であり、欧米と日本では研削加工の風土、考え方が異なる。

2台に分けたほうが生産性は高いが、ワンチャッキングで削るということは、段取り替えによるヒューマンエラーがなく精度は高い。日本でもこういった考え方は増えてくると見ており、我々も広めていこうと思っている」と、それぞれ機種の特長に言及した。

【小間番号・3D14】

 

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