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ユーザー通信231号 2面:タンガロイ新製品発表会

ユーザー通信 WEB版

タンガロイ新製品発表会

先進的工場でも難しい「工具在庫管理」の重要さあらためて強調

4月20日、オンラインによるタンガロイ(本社=福島県いわき市、木下聡社長)の新製品発表会が開催され、TungMeister バレルヘッド、TungMeister 平面加工用/長刃長ヘッド、ModuMiniTurn 自動盤用ヘッド交換式工具といったADD FORCE製品を中心に、ユーザーの生産性向上に役立つソリューション、情報のほか、「スマートテックインダストリー」、「スマートテックマーケティング」といったデジタル化戦略が「世界の潮流」として紹介された。

そんな中、あらためて「コスト改善の一歩目」として強調されたのが、先進的な工具一元管理システム『MATRIX』の利用についてである。

MATRIXは、工具の使用や在庫状況をデータ化し、正しく管理、発注業務の自動化や棚卸しの簡略化で見えないコストを削減し、工具の一元管理で作業に集中できる環境を整える。今回はその導入事例として、DMG森精機・伊賀ソリューションセンタの松井聖部長がVTR出演し、次のように評した。

「MATRIX使用により、使用されている工具の頻度、各オペレーターの使用状況を把握できるようになった。また当社の機械に搭載されているCELOS(オペレーティングシステム)からMATRIXの遠隔閲覧が可能となり、機械の前に居ながら在庫品型番、在庫数、保管場所の確認ができるようになっている。

MATRIXを導入することによって、最適な在庫管理と作業の効率化が実践できるようになった」。
MATRIXの導入に必要なのは、最低限のネットワーク環境とパソコンやタブレットなどの端末のみ。大小さまざまなキャビネットラインナップと、自由にカスタマイズできる収納レイアウトで使用工具や場所を選ばず活用できる。

なお、工具の在庫管理はいくら先進的な工場でも難しいとされ、「作業時間の15%が工具探しに費やされている」、「在庫の65%は一度も使われない(大体廃棄されてしまう)」といったデータにも言及したが、後者はかつて本紙で何度か取り上げた、いわゆる「死蔵工具」を指すが、これが明確に数字として語られたのは、非常に意義深いといえよう。

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