ユーザー通信:日本ものづくり業界の発展に寄与できる情報媒体 UT-net.jp

Chroma/高性能パワーテストエコシステムを拡充

ニュースリリース ユーザー通信 WEB版 ワールドプレスリリース

Rohde & SchwarzのMXOシリーズ・オシロスコープが、ChromaのPower Conversion Device Automated Test System Model 8000(ATS 8000)でサポートされるようになった。この統合により、AIデータセンターのインフラに使用される電源システムを含む、高電力・多チャネルアプリケーションにおける複雑化するテスト要件に対応できる。ATS 8000プラットフォームを自動テストおよびシステム統合に使用するパワーエレクトロニクスエンジニアは、次世代MXOオシロスコープの高度なリアルタイム波形捕捉機能を既存のテスト環境で活用できるようになる。

AIインフラの拡大に伴い、データセンターおよび関連システムにおける電力需要が増加している。これにより、電源メーカーは、より高出力・高密度な設計の開発を迫られており、最新のHVDC(High-Voltage Direct Current)電源アーキテクチャを採用したシステムもその一つだ。パワーコンバータや電源装置を開発するエンジニアは、電源システムの開発工程における波形捕捉、デバッグ、キャリブレーションなどの自動化に、ChromaのATS 8000のような自動テストプラットフォームを活用している。

ATS 8000は、さまざまなパワーコンバータおよび電源装置の自動テスト向けに設計されている。Chromaは今回、Rohde & SchwarzのMXOシリーズ・デジタルオシロスコープを、システムに統合可能な複数のハードウェアオプションの一つとして新たにサポートした。自動パワーテストのアプリケーションにおいて、オシロスコープは過渡応答や動的な波形をリアルタイムで捕捉する重要な役割を担う。

高電圧テスト環境に対応する高精度測定

Rohde & Schwarzが開発したMXO-EPプロセッシングASICテクノロジーをベースとする次世代MXOシリーズは、最大毎秒450万回の波形捕捉レートを実現する。これにより、測定のデッドタイムを低減し、信号の挙動をより正確にリアルタイムで把握できる。高度なデジタルトリガ、調整可能な感度、極めて低いトリガジッタにより、MXOはごく小さな信号異常も検出でき、ピクセルレベルのトリガ精度を実現する。HDモードでは、最大18ビットの分解能と、0.5 mV/divまでの入力感度に対応する。

高密度電力供給に対応する多チャネル測定

AIを活用したデータセンターにおける高密度電力供給の要求に対応するため、1台の電源ラックで複数のパワーモジュールに加え、バッテリーバックアップユニット(BBU)やコンデンサバックアップユニット(CBU)を直列または並列構成でサポートする必要が生じる場合がある。こうした要件では、8チャネルを超える複雑な測定が必要となることがある。MXOシリーズには最大8チャネルのモデルがあり、Rohde & SchwarzのScopeSyncアーキテクチャによるマルチインスツルメンツ同期にも対応している。これにより、複数の機器をプライマリ/セカンダリ構成で動作させ、最大24の同期チャネルを実現できる。この機能はデバッグ作業を支援するとともに、手動による確認結果と自動テスト結果の整合にも役立つ。

実環境および生産ラインに対応する柔軟なテストプラットフォーム

ChromaのPowerPro制御ソフトウェアにより、エンジニアは用途に応じてテストシステムを柔軟に構成し、C#やPythonで記述した外部プログラムをテストフローの一部として実行できる。これにより、シリアル通信バスからの制御フレームのデコードや、製品固有のキャリブレーションルーチンの適用など、カスタム解析ステップを追加できる。実環境でのアプリケーションから生産ラインまで、エンジニアが求める柔軟なテストフローを実現する。

ChromaのATS 8000 Software Solutions担当Product ManagerであるEvan Tsai氏は、「自動テストにおける長年の経験から、AI主導の時代において効率性と柔軟性は極めて重要だと考えている。Rohde & SchwarzのMXOシリーズ・オシロスコープへの対応を追加することで、先進的なパワーテストに対する新たな要求に応えるATS 8000プラットフォームの機能を拡張した。今後もChromaは、自動テスト技術の開発を継続し、世界中の電源メーカーに、より包括的で高精度かつ信頼性の高い測定ソリューションを提供するとともに、高効率なAI主導型エネルギーシステムの実現に貢献していく」と述べている。

また、Rohde & SchwarzのDirector Product Management OscilloscopesであるJithu Abraham氏は、「AIデータセンターのインフラに使用される複雑な電源システムを開発するパワーエレクトロニクスエンジニアには、高速な信号挙動を捕捉し、複雑なマルチチャネル構成に対応できる測定ツールが必要だ。当社のMXOシリーズをChromaの実績あるATS 8000プラットフォームに追加することで、ユーザーは既存の自動テストワークフロー内で次世代オシロスコープ技術を利用できるようになる」と話している。


▲MXOオシロスコープをATS 8000プラットフォームに統合

 

» «