ローデ・シュワルツ/共同測定で近傍界ソリューションの高精度を確認
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ローデ・シュワルツとGreenerwaveは共同測定において、近傍界システムによりSATCOMアンテナ向け50 cmのKu帯電子走査アレイ(ESA)の放射パターンをわずか30分で取得できることを実証した。結果はシミュレーションモデルと1 dB以内で一致し、本手法がアンテナ性能を迅速かつ信頼性高く検証できることを示している。大型チャンバーに制約のあるSATCOMメーカーにとって、より迅速でコスト効率の高い試験手法となります。
電子走査アレイ(ESA)アンテナは、現代のSATCOMシステムにおいて重要なコンポーネントとなっている。LEO、MEO、GEOといった軌道で信頼性の高い運用を実現するには、放射パターンの正確な把握が不可欠だ。しかし、従来の遠方界測定では、特に被試験アンテナ(AUT)の開口が50 cm以上になると、Ku帯やKa帯において実用的でないほど大型のチャンバーが必要となる。一方、CATR(コンパクトアンテナ試験レンジ)も依然として大きく、放射パターンを取得するためにAUTの2軸ポジショニングが必要で、測定に時間がかかる。
ローデ・シュワルツとGreenerwaveは最近の共同測定においてESAアンテナ試験のブレークスルーを達成し、近傍界で高精度な放射パターン特性評価を実現するとともに、測定時間を大幅に短縮した。Greenerwaveの革新的なSATCOMユーザー端末は、再構成可能インテリジェントサーフェス(RIS)を基盤としており、従来方式と比較して消費電力や半導体依存を低減しながら高性能な電子走査アンテナを実現している。
共同測定では、ローデ・シュワルツがコニカルカットポジショナを備えたR&S TS8991 OTA/アンテナ測定システムとR&S ZNAベクトルネットワークアナライザを提供した。これらにより、RIS技術を用いたビームフォーミングを行うGreenerwaveの単一開口パッシブESAアンテナを評価した。被試験アンテナ(AUT)は50 x 50 cmの開口を持ち、低消費電力と容易な統合を目的に設計されている。
測定は極角120度までの拡張上半球を対象に、1度ステップで実施された。Ku帯の10周波数が、ハードウェアトリガ機能により合計32分で取得できた。また、データはR&S AMS32アンテナ測定ソフトウェアで処理され、FIAFTAアルゴリズムによる近傍界から遠方界への変換が適用された。
数値ツインモデルに基づくシミュレーション結果およびGreenerwaveのCATR測定結果との比較では、最大利得または指向性の差は最大1 dB、通常は0.3 dBであり、近傍界ソリューションの高い精度が確認されました。エクスポート機能により、CST Microwave StudioやMATLABなどでの追加解析も可能である。
同試験は、大型のSATCOMアンテナでも近傍界構成のR&S TS8991アンテナ試験システムを用いることで迅速かつ高精度に特性評価できることを示しており、大型遠方界チャンバーやCATRに代わる実用的な手法となる。本構成は、柔軟なビーム制御や高データレートを必要とするブロードバンド、IoT、バックホール用途のアンテナ試験にも適用可能。研究室環境への統合も容易で、試験サイクルの短縮と開発コストの削減に寄与する。

▲R&S TS8991アンテナ試験システムで特性評価されるGreenerwaveのESAアンテナ
2026年5月17日






