三菱マテリアルが特約店会を名称変更、各地で「三菱セールスパートナー会」開催

メルロ氏が営業本部長を兼任
三菱マテリアル(本社・東京都千代田区丸の内)は5月中旬~下旬にかけ、加工事業カンパニーの国内流通特約店会を、大阪・広島・名古屋・東京の順で開催した。このうち、5月15日の近畿・北陸ブロックは、帝国ホテル大阪(大阪市北区)を会場とし、特約店55名、代理店22名の計77名の代表が出席した。
小原加工事業カンパニープレジデント「新規顧客、新規ビジネスにこだわる」
はじめに同社執行役員常務の小原和生加工事業カンパニープレジデントがあいさつに立ち、グローバル市場での先行き不透明な事業環境に、臨機応変に対応する新組織を志向するとして、バイスプレジデントのミルコ メルロ氏の営業本部長兼任を発表した。また、「ドイツのタングステン素材メーカーH・Cスタルク社の買収を完了し、タングステン素材供給体制を強化したのに続き、イタリアのUFP社を買収し、欧州でのサービス拠点を拡充した」とM&Aの取り組みにふれた。
次いで、国内市場の位置付けや地政学的なインパクトといった、トランプ関税による影響が懸念される自動車業界など産業界の動向について、「米国の自動車部品の大半は、中国や日本、EUから供給されているのが現状で簡単には切り替えられない。ただ、今後の状況によっては、サプライチェーンの変化に伴い、日本やEUの存在感が増すチャンスもあるのでは」との見通しを示した。
そして、加工事業カンパニーの方針として、「主力の自動車産業に加え、航空機や防衛関連、エネルギー、半導体分野などの成長市場を視野に、新規顧客・新規ビジネスの開拓に全面的に注力し、受注拡大に取り組む」と強調。新製品開発など切削工具の製品ラインナップ拡充をはじめ、タングステンなど超硬スクラップの回収事業などを推進すると表明した。さらに、製品ブランドにおいても、DIAEDGEから「グローバルブランドである『三菱』を全面に押し出す。全世界共通でブランドアピール活動を積極的に展開し、成果を共有したい」と述べた。
このあと、バイスプレジデント チーフストラテジーオフィサー(兼)営業本部長のミルコ メルロ氏によるビデオメッセージに続き、萩谷英史営業本部国内営業部部長は、年間表彰発表に先立って、製品ブランドの変更に伴い特約店会も「三菱セールスパートナー会」に名称変更する旨公表した。
「売り勝ち残る」スローガンに、健全な危機感もちサバイバルを(萩谷国内営業部部長)
萩谷部長は続けて、国内営業部方針の説明に移り、「流通系が前年度比106%だったが、直需は同97%の前年割れとなった。注力製品数量では、ドリルが同89%で、エンドミルは右肩上がりに推移している」と昨年度(2024年)の受注実績を報告し、「自動車市場の需要低迷が続く中、航空機やエネルギー分野など新市場への営業活動を展開する」と続けた。その上で、厳しい市況が見込まれる切削工具業界での生き残りの決意と姿勢を込めて、今年度のスローガンを「売り勝ち残る」と示した。新規顧客、新規案件の開拓・受注確保にこだわる営業活動を推進し、「特に、小物・高精度部品加工工具(K2C)や、最適な工具を提案するオンライン工具選定サービス『Tool Assistant(ツールアシスタント)』などの拡販に注力し、特約店・代理店の皆様と共に『健全な危機感』をもって、サバイバル時代を勝ち残っていきたい」と力説した。
なお、第2部の懇親会では、Kamogawa(本社=京都市伏見区) の竹谷正利社長があいさつと乾杯の発声を行い、和やかに歓談がスタート。シミヅ産業(本社=大阪市西区立売堀)の清水善徳社長の中締めで閉会した。

▲(左)小原加工事業カンパニープレジデントあいさつ(右)特約店・代理店計77名が出席(近畿・北陸ブロック)
2025年5月19日