日伝 事業方針説明会、最適な組み合わせによる「製造業DX拡大」へ注力

日伝(本社・大阪市中央区、福家利一社長)は5月9日、大阪市北区の帝国ホテル大阪に主力仕入先の代表を招き、「2025年度(第75期)事業方針説明会」を開催した。
前期は増収増益、今期は営業利益減予想
福家社長は最初に、国内外および機械器具関連業界の市場環境を確認した後、同社の2025年3月期連結決算内容を説明した。売上高は前期比6・2%増の1347億7100万円、営業利益は同17・5%増の68億2400万円、経常利益は同12・0%増の72億円、当期純利益は同4・7%増の48億9200万円と増収増益となった。その上で、今期26年3月期の連結業績予想では、売上高は前期比3・9増の1400億円、営業利益は同1・8%減の67億円、経常利益は前期と同じ72億円、当期純利益は0・2%増の49億円とした。
次いで、中期経営計画での「将来にわたり『なくてはならない企業・日伝』を目指す」など経営基本方針および重点施策である「顧客価値の最大化」を確認し、成長市場でのビジネス拡大と社会・環境課題ビジネスの事業展開を積極的に取り組むと強調した。今期の主要方針と施策として、複雑化する課題を最適な組み合わせにより製造業DXで解決する取り組みを推進するとし、昨期、子会社化したアぺルザとの協業による事業成果を披露。具体的事例として、日伝が「使い勝手」をプロデュースし開発した、受発注業務を大幅に効率化する『アぺルザDESK』などDXツールの開発・普及展開をはじめ、次世代イノベーションを創造する体験型ショールーム『&N LABO』の活用実績などをアピール。さらに、独自の製品活動やR&D、マーケティング、広報コンセプト「デン デン デン デン デン 心揺さぶるこの拍動」などを紹介し、理解と協力を求めた。
熊本ロジスを新設、半導体需要に対応
最後に、設備投資として、新設した『熊本ロジス』について、「自家消費型(余剰売電)太陽光発電システムに加え、半導体業界にも対応した簡易クリーンブースを設置。今年8月1日に稼働する」と説明し、熊本ロジスと埼玉・蓮田物流センター(26年12月頃竣工予定)によるワンストップ機能やDXサービスの拡充、企業価値向上を志向した広報戦略に注力し、ソリューションビジネスを着実に推進するとの方針を示した。

▲福家社長が業績・事業方針を説明 ▲帝国ホテル大阪に主要仕入れ先の代表が参集
このあと、講演会を挟んでの懇親会では、日伝・岡本賢一専務(営業統括)が開会あいさつの中で、米国・トランプ大統領の関税政策に関して、「長年をかけ構成された現在の経済状況を、急に関税によって形を変えるなど現実的ではないと感じている。これは病気も同じであり、急性的に患った病は治療によって劇的に治癒することもあるが、慢性的な生活習慣病は回復には時間がかかるものだ」とふれた。
次に、出席者を代表して住友重機械工業の荒木達朗専務があいさつと乾杯を発声し開宴、中締めでは日伝・森田淳二常務(営業推進本部長)が自ら「仕込んできたネタ」と前振りし、「めくっても、めくっても、ジョーカーしかないトランプゲーム」とスピーチジョークを披露。会場からは一笑とともに「・・・・微妙!」との声が挙がるなど、終始和やかな歓談、雰囲気が続く中で閉会に至った。

▲懇親会での(左)岡本専務開会あいさつ(右)森田常務中締め
2025年5月12日